セブチの妖精ヌナは癒し担当 (2)

# sound of the blood ページ16

［ me side ］






『 ちょっ、何するんです、……キャ！！ 』

｢ 騒ぐなよ、媚売女 ｣



手を解こうとしたらそのまま掴まれて、
言葉にならないほどの痛みが手に走る

手の甲がジンジン痛んで、
床に水が落ちては跳ねる音が聞こえる


…うそ、切れた、？




｢ アンタねぇ、調子乗りすぎ ｣

｢ どんなコネ使ったか知らないけど、
なんでアンタがセブチでデビュー出来たわけ？！ ｣

『 ッ、いや！ 』



ダメ、手の甲が切れちゃったら
ピアノが弾けなくなる、作曲出来なくなる…っ

周りの声なんて聞こえなくて、
これ以上傷がつかないように必死に抵抗した





｢ 〜ッ！！！
なんで私じゃなくてアンタなのよ！！！！ ｣



目の前に1人の女の子が来たと思ったら

『 ……あっ、く、』

そのままお腹を足で蹴られた



ヒールのせいで踏ん張ることが出来なくて、
そのまま足が変な方向に曲がって倒れた体

『 いゃあああああッ！ ……ッあああ、 』





…ダメ、ダメなのに

怪我したらダメなのに、怪我したら…っ、
いや、いや、怪我したらダメ…


『 …ひっ、う、 』

痛い、心臓が痛い、手も、足も、お腹も痛い

涙が止まらなくて嗚咽が止まらなくて、
でも私を蹴った女の子の暴力も止まらなくて…




『 いや、や、やめて！！ …っ！ 』

どうして、どうしてっどうして？





助けて




『 おえっ、……っ 』

｢ なんで！なんで！なんで！！！
なんで私じゃなくてアンタなの！ねえ？！！！？ ｣


胸ぐらを掴まれて朦朧としている頭が
余計に重く感じる程に揺さぶられる







CH｢ A？！
お前、やめろ！！ ｣




遠くから聞こえたチャニョリオッパの声


…オッパ、助けて、



｢ なんでっ、なんで…っ、！！ ｣


力が入らなくてそのままヒンヤリした
コンクリートに体が強く倒れた

身体中が痛くて 涙で霞む視界に私の血が見える




｢ Aちゃん？！ 大丈夫？！ ｣
｢ おい！警察と救急車呼べ！ はやくっ！ ｣


視界にたくさんの人影が移り込む





CH｢ A？！ A！！ ｣





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