俺たちに出来ること side Takeru ページ44
「タケル、しっかりしろ…」
俺から顔は見えないけど、取り巻く懐かしい雰囲気にはっとする。
肩越しに、綺麗に微笑む彼。
ああ、ハルマ、だ。
「…何が一番最善か、君には分かってるはずだよ？」
ハルマに言われて、心を覆う不安の闇がゆっくりと晴れて行く。
俺の腕の中には、痛みでかすかに震えてるニノ君。
俺の右手の中には、静かに燃えるジュン君の魂。
……心が、決まった。
すう、と息を吸い込んで、目を閉じる。
いつもは勝手に出てくるまま、好き放題させてたけど。
初めて俺が自分の意思で、彼らの力を借りる。
『キンタ…頼めるかな』
『ん？俺でええんか？』
『あ！キンちゃんずるーい！僕も僕も〜！』
『おいタケル！この俺様を差し置いて筋肉ダルマを呼ぶたぁどういうこった！』
『センパイ、さっき充分暴れてたじゃない』
一言呼べば四つの反応が返ってくる。
『…ニノ君を抱えて走らなきゃいけないんだ、キンタ、お願い』
『よっしゃ、任しとき！』
ふわ、と自分の体の感覚が遠のく。
今までと違うのは、自分の魂が弾かれるんじゃなくて、体に寄り添っている感じ。
…体を使っていないモモ達と一緒にいる、そんな感じ。
『おし、行けクマ公！』
『ちっちゃい僕ちゃん潰すんじゃないよ！』
『ぼーくーもーでーたーいー！』
『リュウタ、ワガママ言わないで』
キンタが浅く息を継いでるニノ君を抱き上げる。
これは、俺では出来ないコト。
「行くでぇタケル！」
『うん！』
モンスターの咆哮を背に受けて、もと来た道を走り出す。
一度だけ振り返った時、見えたハルマは小さく微笑んで頷いていた…。
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涼歌(プロフ) - さた郎さん» さた郎さーん^^即コメいただきましてありがとうございます…！お花屋さん、周りの方が素敵過ぎてどうしようだったのですが、そう言っていただけると嬉しいです♪こちらもゆっくりと更新再開していきたいと思います^^ (2013年3月26日 22時) (
レス) id: c9edb23143 (このIDを非表示/違反報告)
涼歌(プロフ) - なーにさん» なーにさーん^^わーい、相思相愛(笑)あのような紹介の仕方で良かったですかね？たくさんの素敵な本が集まる本屋さん(図書館？)…、私も楽しみです^^ (2013年3月26日 22時) (レス) id: c9edb23143 (このIDを非表示/違反報告)
なーに(プロフ) - すずちゃーん☆呟きの方にも宣伝してくれてありがとうございます(*´∀｀)私もすずちゃん大好きよ♪(´ε｀ )真夜中って、もう朝方ですが、私も変なテンションでごめんなさい(;^_^A (2013年3月26日 5時) (レス) id: b5a7d9a9ac (このIDを非表示/違反報告)
涼歌(プロフ) - ☆葵☆さん» ☆葵☆さーん^^教えていただいてありがとうございます^^読むのが遅いですが、伺いますね^^ (2013年3月18日 0時) (レス) id: c9edb23143 (このIDを非表示/違反報告)
涼歌(プロフ) - さた郎さん» さた郎さーん^^返信遅れてすみません;タケル達も合わせて５人！言われて初めて気づきました^^なんという偶然！最近ゆっくり更新ですが、またのんびりお待ちいただければ嬉しいです♪ (2013年3月18日 0時) (レス) id: c9edb23143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼歌 | 作成日時：2013年2月12日 17時
