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「全力で奪うでしょ」
「まじか…」
「作ちゃんすごい」
「奪うって言い方がアレなだけで、肉食仲間の俺的にはいいと思うよ！」
奥の方に座って一人でドーナツを頬張る浮所は隣同士に座る雄登と私の方をちらちらと見る。
雄登が「今日は帰り送っていくよ」と突然言い出したので、家までだと申し訳ないから駅の改札まで一緒にいたいとお願いした。
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駅の改札で彼と別れる。
顔は整ってるし優しいし頭はいいし運動神経は抜群で、頼りになる。
本当にもったいないと思う。
私も女の中ではそこそこ頼りになる方ではあると思うけれど、なぜこんなに可愛げのない私を選んだのだろうと何度考えたことか。
"Aといると元気になる"と言われたことがある。
いつ言われたかは忘れてしまったけれど、その言葉はとても印象に残っていた。
また明日ね、雄登。
心の中で呟いて角を曲がった。
彼はまだ改札に立っている。
「A先輩」
『うわ、え、作間くん』
「最寄り一緒なんですね」
今一番顔を見たくない人が後ろから声をかけてきた。
「送っていきますよ、遅いから」
彼を無視して自分の家の方に歩いていく。
『去年から何度もこの時間に歩いてるけど』
「なんで鈍いかな、2人でなるべく長く話すための口実なのに」
『…やっぱ今日おかしいよね』
「どうしてそう思うんですか」
『それは、…』
キスだなんてとても言いづらくて、一度出しかけた言葉を飲み込んだ。
「なんで質問に答えないんですか」
５歳児のように "なんで" と "どうして" を繰り返して私を追いつめる彼が怖かった。
そうやって言い続けたら、いつか私が詰まってしまうことをわかった上で言っているはず。
「…那須先輩と別れるつもりはないですか」
『 "どうして" ？』
ここで一気にこっちの流れに持っていこうと思ったのに、
「…あいつ、先輩の他に女いますよ」
作間くんの瞳の色がいつもと違って私は迷ってしまい、その答えに対して「"なんで"そう思うの」と攻撃することはできなかった。
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Atena(プロフ) - 主人公の心の揺れが最後まで見られて面白かったです！ (2020年4月25日 0時) (
レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
清良(プロフ) - お疲れさまでした！最後まで那須くんかっこよかったです！ (2018年12月14日 1時) (レス) id: 7cb81e8898 (このIDを非表示/違反報告)
えるにめ - 凄く面白いです。さっくんと那須くんメインなとこも凄く嬉しいです！ (2018年11月19日 17時) (レス) id: fa89af2adc (このIDを非表示/違反報告)
ねり - すごくおもしろいです！！ (2018年11月17日 15時) (レス) id: b337ad9043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プチラメ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/Petit_lame
作成日時：2018年10月25日 19時
