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目が覚めた。
知らない天井があった。
『あぁ、』
雄登の部屋で寝てしまったみたい。
時刻は23時を超えていた。
横を見ると裸になった雄登が寝ている。
涙の伝った跡がくっきり見えて、胸が苦しくなった。
着替えようと思って起き上がると、雄登の机の上に置かれていた瓶が目に付いた。
瓶に書いてあったのは有名な市販睡眠導入剤の名前だった。
雄登が出してくれた烏龍茶にこれが入っていたのかとも思ったし、横で寝ている雄登が常習的に使っているのかとも思った。
『雄登』
「…なに？」
『私、着替えたら帰るね』
「何時？」
『もうすぐで日付が変わる』
「今外に出たら危ないよ」
『…勝手に泊まって大丈夫かな』
「Aの家にあとで連絡するべきかなぁ…」
『雄登の家族だっているし、』
「俺の家は構わないよ。両親は帰ってこない日もあるし、弟もいちいち気にするタイプじゃない」
雄登のこと、なにも知らない。
雄登の家族のことも、友達のことも。
『…どうして他の女の人と寝たの』
「言いたくない」
『正直に言ってよ』
「じゃあ、首についてた歯型は誰につけられたのか教えてよ」
雄登が薄く目を開いて私の首をそっと触った。
そこは、あの日作間くんが噛み付いた場所。
「作間なんでしょ？」
頷くしかなかった。
今更罪悪感でいっぱいになって、身体中が痺れていく。
「俺はね、優斗先輩の彼女さんに襲われた。そこから何回か会ってる」
雄登が寝返りをうって見えた背中の引っ掻き傷が生々しくて吐き気がした。
「汚いのに、Aには触れないよ」
私は自分勝手だ。
裸を見せることが怖くて、雄登が何を考えているかも知らずに事が進まない状況に安堵して、作間くんに恐怖を払拭してもらえば次は雄登を求めて。
雄登がどんなに苦しんでいるかなんて知らずに、自分だけが苦しいと思っていた。
『私も汚い女だよ』
雄登はもう一度こちらに身体を向けた。
そして、私に軽くキスをした。
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Atena(プロフ) - 主人公の心の揺れが最後まで見られて面白かったです！ (2020年4月25日 0時) (
レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
清良(プロフ) - お疲れさまでした！最後まで那須くんかっこよかったです！ (2018年12月14日 1時) (レス) id: 7cb81e8898 (このIDを非表示/違反報告)
えるにめ - 凄く面白いです。さっくんと那須くんメインなとこも凄く嬉しいです！ (2018年11月19日 17時) (レス) id: fa89af2adc (このIDを非表示/違反報告)
ねり - すごくおもしろいです！！ (2018年11月17日 15時) (レス) id: b337ad9043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プチラメ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/Petit_lame
作成日時：2018年10月25日 19時
