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帰りの電車の中だった。
久しぶりに一緒に帰ろうと声をかけて、生徒会室の鍵を浮所に託して雄登を連れ出した。
時間帯と方向の問題か、車両の中には私たちしかいなかった。
「…好きな人できたんでしょ」
『…雄登？』
「作間のことが、好きなんでしょ」
『どうして？』
「見てたらわかるよ。作間がAのこと好きなのは知ってたし、Aだって意識してたから」
『ごめんなさい。だから、別れてほしい…』
「…じゃあ、最後にデートしてくれない？」
膝の上に置いていた手に、雄登の手が重なった。
『家に行きたい』
「いいよ」
私だけが悪者になるなんて納得がいかなかった。
そちらこそどうして浮気をしたのか、聞いてやろう。
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『おじゃまします』
「誰もいないよ」
『今日も？』
「みんな帰りが遅いから」
その言葉と同時に彼の部屋のドアが開いて、大好きな香りに包まれた。
温度があって、ほんのり洗剤の匂いがしたあとに、グレープフルーツの爽快な感じがして、甘ったるくならない。
「今お茶持ってくる」
雄登が部屋を出ていくと、私のスマートフォンの通知音が鳴った。
ドアから一番遠い場所まで移動して、スマートフォンを取り出す。
"A先輩、今どこにいますか？"
作間くんからメッセージが届いていた。
そのメッセージを開封する気にはならなかった。
雄登の家にいるだなんて、言いづらい。
「誰とメールしてんの」
『ご、めんなさい』
「見せて」
背筋が凍りついた。
今までに聞いたことのない低い声でそう言い、見たことのない鋭い目を向けて、彼は私の前に立つ。
「見せろよ」
スマートフォンを取り上げられてしまった。
作間くんとのやりとりは大したこともないので見られても別に大丈夫だが。
なんとなく気まずくて、彼が持ってきてくれた烏龍茶を一気に飲み干す。
「返す」
机の上に置かれた私のスマートフォンを取ると、作間くんとの会話や作間くんのアカウント自体が消されていることがわかった。
『消したの？』
「うん」
『なんで…？』
「…許せないから、かな」
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Atena(プロフ) - 主人公の心の揺れが最後まで見られて面白かったです！ (2020年4月25日 0時) (
レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
清良(プロフ) - お疲れさまでした！最後まで那須くんかっこよかったです！ (2018年12月14日 1時) (レス) id: 7cb81e8898 (このIDを非表示/違反報告)
えるにめ - 凄く面白いです。さっくんと那須くんメインなとこも凄く嬉しいです！ (2018年11月19日 17時) (レス) id: fa89af2adc (このIDを非表示/違反報告)
ねり - すごくおもしろいです！！ (2018年11月17日 15時) (レス) id: b337ad9043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プチラメ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/Petit_lame
作成日時：2018年10月25日 19時
