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「クリスマスだからAのサンタコスが見たいって那須が言ってた〜」
「浮所、嘘はよくない」
あっという間に月日が流れ、今は終業式終わり恒例のクリスマス会を生徒会室で開催中。
「最近那須とA、仲良くなくなくなくなくなくない？ケンカしたの？」
「なんか多いぞ」
『してないよ』
してないの。
ただ一方的に距離を置いて、自然消滅させようとしてる。
作間くんだって普通に戻ったし、これでいい。
全部なかったことにしてしまおう。
「ねぇ猪狩、龍我は？」
「あいつ塾通い始めたらしいんですよ、しかも東大進学なんちゃらかんちゃらコース」
「ついに頭おかしくなったな」
「那須先輩、僕たちお菓子買いに行きましょうよ」
「裏にある酒屋でいいかな。行きたい人ー」
雄登が呼びかけると、「はーい」と元気の良い返事が響く。
彼らが部屋を出て行った結果、私の左隣に浮所くん、机越し向かいに作間くんがいる。
「…僕トイレ行ってきます」
「いってらっしゃーい」
作間くんが出て行く。
浮所と2人きりだ。
1年以上ぶりだ。
中学の頃はたまに帰り道で2人だけになることがあったけれど、高校入学と同時に彼が都心に引っ越してしまってからはない。
「A、変わったよね」
『なにが』
机の上にある紙コップを取ってオレンジジュースを流し込む。
「可愛くなった」
『…は？』
「女の子らしくなった」
オレンジジュースを入れた紙コップを浮所の前に置くと、小声でありがとうと言ってからちびちびと飲み始めた。
『まあ高校デビュー狙ってたし』
「そういうことじゃなくて、中身」
なにも返すことができなくて、手に持っていた紙コップの中のオレンジジュースを一気飲みしてしまった。
「…話したくないなら話さなくていいけど、那須と本当になにもないの？喧嘩してない？」
ちらっと浮所の方を見ると、真剣な眼差しでこちらを見ていた。
10年以上近くで私を見ている人間には、気づかれてしまうものなのか。
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Atena(プロフ) - 主人公の心の揺れが最後まで見られて面白かったです！ (2020年4月25日 0時) (
レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
清良(プロフ) - お疲れさまでした！最後まで那須くんかっこよかったです！ (2018年12月14日 1時) (レス) id: 7cb81e8898 (このIDを非表示/違反報告)
えるにめ - 凄く面白いです。さっくんと那須くんメインなとこも凄く嬉しいです！ (2018年11月19日 17時) (レス) id: fa89af2adc (このIDを非表示/違反報告)
ねり - すごくおもしろいです！！ (2018年11月17日 15時) (レス) id: b337ad9043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プチラメ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/Petit_lame
作成日時：2018年10月25日 19時
