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「ハロウィンなのに先輩たち3人しかいないんっすか」
パイプ椅子を組み立てて猪狩くんがホワイトボードの近くに座る。
「みんな那須が怖くて来られないんだって」
『全然怖くないのに』
「お前らは少しなめすぎだから」
「龍我と大昇、呼んできます？多分食堂で課題やってると思うんですけど」
『猪狩くんお願い』
「龍我また課題やってねえのか？今回も俺が算数から教えるパターンか…」
猪狩くんからレジ袋を受け取って、机にソフトサラダやらなんやらを出しまくる。
本当にせんべいしか買ってきてないのか。
肩を叩かれて後ろを向くと、作間くんがいた。
本当に身長高いなぁ。
「A先輩」
『なに？』
「トリックオアトリート」
『…自前で用意しろってことすか』
作間くんの顔がどんどん近づいてきて、「ちょっと待って」と言おうとした時にはすでに唇が重なっていた。
横目で雄登を見るとパソコンに夢中で全く気がついていない。
作間くんの後ろにいる浮所とばっちり目が合ってしまって、彼は目と口を大きく開けてわかりやすく驚いていた。
一番驚いているのはもちろん私だが。
『…え』
私から離れた作間くんは満足そうにニンマリ笑ってから、机の上にあったじゃがりこを開封した。
ど、どういうこと。
「A？…A！」
自分の名前が呼ばれた方を向いたら雄登が立っていて、私の顔を覗き込んだ。
『ゆ、と』
「聞いてる？」
『聞いて、なかった』
「来週デートしない？」
『でー、と…』
「ダメ？」
『いや、全然、大丈夫、嬉しい、です』
「なんで敬語なのー」
『うぅ、やめへぇ』
頬を両手で軽く摘まれる、いつも通りのじゃれあいだった。
「なんか食べよっか」
2人でパイプ椅子に腰掛けて、浮所が持ってきたチョコレートのスナックを開封した。
「A先輩が持ってきたやつ、どれですか」
『それそれ、がっつり市販のチョコパイ』
「俺もーらいっ」
雄登が手を伸ばして取ろうとしたチョコパイをさっと取って、作間くんは「いただきます」と呟いて食べてしまった。
「…なに、嫌な感じ」
『たまたまでしょ』
小声で不満をこぼす雄登に、そう言うしかなかった。
それにしても本当に気がついていないのか。
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Atena(プロフ) - 主人公の心の揺れが最後まで見られて面白かったです！ (2020年4月25日 0時) (
レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
清良(プロフ) - お疲れさまでした！最後まで那須くんかっこよかったです！ (2018年12月14日 1時) (レス) id: 7cb81e8898 (このIDを非表示/違反報告)
えるにめ - 凄く面白いです。さっくんと那須くんメインなとこも凄く嬉しいです！ (2018年11月19日 17時) (レス) id: fa89af2adc (このIDを非表示/違反報告)
ねり - すごくおもしろいです！！ (2018年11月17日 15時) (レス) id: b337ad9043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プチラメ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/Petit_lame
作成日時：2018年10月25日 19時
