好きじゃないよ、絶対 (ページ2)

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私に恋愛なんて似合わない、そう信じて生きてきた15年。
ついに初の告白というものを経験した。
たまに話す程度のクラスメイトの高橋くん。
夢で見たような呼び出されて直接「付き合ってください！」と言われるような告白ではなくてメッセージアプリ上でだった。
初の告白だったからか嬉しくて、その人をよく知らないけどOKしてしまった。
初の彼氏ができた。
できたとて、相談するような友達はいないし誰にも知られることはないだろう。
そう思っていた私がバカだった。
彼がみんなに言っていたのだ。
おかげでお話ができるくらいのフレンズができたが、あまり嬉しくない。
好奇の目に晒されているだけのような気がしたから。
その日から檜山くんに話しかけてもあまり答えてくれなくなった。
もともとあまり愛想よく返してくれなかったけど。

以前なら

『檜山くん、委員会何か入るの？』
「学級委員。」
『すごいね、私生徒会入りたいから係にしようかな。』
「生徒会もいいと思うよ。俺はね。」

だったのが

『檜山くん、次の授業なんだっけ。』
「高橋に聞けよ、」

『檜山くん、ホッチキス持ってない？持ってたら貸してほしいんだ。忘れちゃって。』
「高橋、多分持ってたよ。」

なんだか高橋高橋って。
そりゃあ、恋人が異性と仲睦まじく話しているのにいい気はしないだろうが、私は彼に恋愛感情は抱いていないし、彼も私に恋愛感情を抱いていない。
ましてや、私は彼氏という存在にさえ恋愛感情を抱いていない。
だが、そんなことは口が裂けても言えない。
軽い女みたいな感じになる。
だからそうだよねと笑って返すしかない。
彼氏がいる女とはあまり話したくないのだろう。