好きじゃないよ、絶対 (ページ18)

今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:23,844 hit

18 ページ18

朝起きると体が重くてだるかった。
これは多分、俗に言う体調不良だと思った。
いや、絶対風邪だ。
2日前に風邪と言って休んでいる私はなんだか休む気になれなくて、親には大丈夫だと告げて登校することにした。
最初は体が重くてだるくて動きにくかっただけだったのだが、次第に声を出しにくくなったり頭が痛くなったり、本格的な風邪症状がでてきた。
昼休みになってもお腹が空かなくて、食欲がわかなくて生まれて初めてお弁当を残した。
机に伏せてなるべく光を目に入れないように、音を耳から流さないように何も考えないようにした。
川谷ちゃんはというと今日は選択芸術があったり成績別の教科だったり川谷ちゃんが学食だったりしたから基本的には別々に行動していた。
私は美術、川谷ちゃんは音楽。
私はSクラス、川谷ちゃんはAクラス。
少し前の話にはなるが、美術センスがない私がなぜ選択教科で美術を選んでいるかは聞かないでほしい。
実を言うと消去法だ。
いつもなら川谷ちゃんと別の授業だと少し寂しさを覚えるのだが、今日は別々でよかったと思う。
自業自得で風邪を引いて他人に感染させるなんてしたくない。

なんとなく暑くて、顔を冷やしに水道へ行くと正面の鏡に真っ赤な自分が映っていた。
こんなに真っ赤なら熱があってもおかしくないだろう。
川谷ちゃんにバレたら心配されるかな。
一応マスクをつけて顔が赤いことがバレないようにメガネをかけた。
目が悪くないから度の入っていないブルーライトカットのメガネだ。

バレないように変装を施し教室に戻ると保健委員の子に保健室に連れていかれた。
なぜバレたのか気になるところだが、そのときの私にはそこまで考えられるほどの意識はなかった。
熱を測れば当然38度台だった。
ここまで上がったのは久しぶりだ。
だが、テストが迫った今、簡単に家に帰ることは私の中で許せなかった。

大丈夫だと言ったが、当たり前に親に連絡され、車で帰ることになった。