want you back 2

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広臣side









｢そういえば Yves Saint Laurentの口紅拾ったんだよねー｣








思えば岩ちゃんが失恋した時もすっっっごい落ち込んでた次の日は凄まじい二日酔いだったがすこし元気になってた。


あれは彼女に会ったからじゃないのか？

じゃあ 近くにいるってことか？

そんな疑問が頭をよぎり、少しかまかけのようなことをした。


案の定岩ちゃんは驚いた顔して




｢あっそれっt…………｣




と言いかけた後 しまった って顔するんだから はい、確定。



じゃあ彼女はあのマンションに少なくとも一回は来ていて、運がよければ今そこに住んでいる、と言うことか。


自分でも気持ち悪いくらいニヤけてしまう。




…………………嬉しすぎだろ、4年もずっと片想いしてたんだ、ようやく手がかりをつかんだんだ。

今日の撮影はとても調子が良かった









＊






岩田side








《あの時》以降、どんな時も少し寂しそうな顔をしていたから、また心から笑って欲しかったから俺、ひと肌脱いじゃったよ。

口紅のこと聞かれた時はびっくりしたけどそれがAのものであることをそれとなく伝えたかったから、わざとボロをだした。

同じマンションだし、ふたりが再会できる日は意外と近いかも。




いつもありがとうの気持ちをこめて、Aに恩返し。

それはAを幸せにすること。



Aも俺に恩返ししなきゃね、って言ってたけど、Aからの恩返しは Aが幸せになること でお願いします。








＊









Aside









そろそろそっち着くねという連絡が岩田から５分ほど前に来た。



『はいっ

じゃあそろそろ、開店しましょう！』



｢｢｢はーーーーーいっ｣｣｣



店の名前は pierce


店先のプレートをopenに変えた。


と、同時に岩田が来た。





『いらっしゃいませ、お客様1号』

｢やっった！

初めてのお客さんだー｣

『今日はどんな感じにする？』


｢色少し明るくして、ちょっとツーブロっぽくしてみてー｣


『了解』









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