厄介なやつに好かれたら【降谷零】

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どうも奇遇なことに降谷さんは夢君の両親と夢君を探していたらしい。

とにかく一件落着してよかった。



夢君にはプロポーズされたし

やっぱあの子可愛い

ただ、小さな子供の言うことだし間に受けることじゃないんだけどさ。

彼はどうせ今日のこともいつか忘れる。



そんな私の思考を覆す事件が起きるのはまだ先のこと。この時の私はそれを知らない。





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下駄のせいで足を怪我して降谷さんに運んでもらった。

とても貴重な経験が出来たので凄く嬉しいんだけど、少し緊張しちゃったりもしてる。

でも楽しかった。

いつもと違う話もできたし。



「ここからでも花火見えるんですね」

「そうみたいだな」



公園の道を通りながら空へ視線を移せば木々の上から舞い散る花火。

色とりどりの結晶が粉々になるみたいで、この光景を見て思うことは人それぞれだけど

やっぱ口から漏れる言葉は



「綺麗……」



自然とこれ

まだ今日はちゃんと見てなかったし



「あ」




そんな時、降谷さんが何かまずいことに気づいてしまったかのよう声を濁らせて呟いた。



「どうしたんですか」

「かき氷……」

「げ」

「ま、いいか……」

「ですね。次会ったら謝っときましょ」



すっかり忘れてた金魚すくい勝ち組軍団

元々の目的を見失ってた。

ただ、降谷さんと一緒なら別になんだっていいや、とか相変わらず適当な自分がいる。





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何も知らないかき氷待機班こと金魚すくい勝ち組軍団は、川の土手で2人の帰りを待っているようです。



「なぁ、やっぱ2人とも迷子になったんじゃ」

「いや、抜け駆け……ってのも一理あるぞ」

「楪はともかく降谷はそんなことしないだろ」

「どうだろな。あいつ案外自分が気づいてないだけで結構惚れてんじゃね」




「楪のこと」




1人そう呟いた松田さんは静かに花火を見つめました。

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