厄介なやつに好かれたら【降谷零】

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後日、話を聞けば降谷さんの容態は順調に回復してきているらしい。

夜に寮を抜け出して、神社まで神頼み行った甲斐がありました！！

よかったです！！

もちろんバレて教官に怒鳴られたけど。



「何してんだこんなとこで」

「千羽鶴折ってるんです……って松田かい」

「オレで悪かったな……てかなんで千羽鶴」

「小さい頃、友達が入院した時みんなで千羽鶴折ったんだけど、それ思い出したから降谷さんのお見舞い用にと思って」



私がそう言い終わると同時に、すごく痛い視線を感じた。

上を向けば松田が大仏のような顔してこちらを見ている。

なんだこいつ。



「降谷もうすっかり元気だぜ。訓練も相変わらず教官に褒められてたし」

「へ」

「しかも外で折るなよ。あと多分それ鶴じゃなくてハトだ。お前ある意味すごいな」

「嘘でしょ」

「割とガチ。それにお前、１人で鶴１０００羽折るなんて時間相当かかるぞ。降谷そのうちに治るとかさ……考えてなかったわけ？」

「うん」



呆れた……と溜息をついた松田の言ってることに反論しようと試みたけれど、よくよく考えたら確かに今回はこいつの言ってることが正しい。

悔しいけど、千羽鶴は不要だったと言うわけか……あ、千羽鳩か。



「でも降谷さん治ったんだね！！」

「あぁ」

「ならもういいや」



とりあえずこの子達どうしようかな……折り紙だとしても、こんな大量のハトを捨てるとか縁起悪いし、絶対呪われる。第一捨てるの勿体無い。

そんな時、またしても痛い痛い視線を感じ取り、再度私も顔を見上げれば、松田がジッとこっちを見てた。

今度はなんなの。

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