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朝7時40分。
もうとっくに準備が終わってしまって、急ぎすぎたかなと少し反省。
何気なくつけたテレビでやっていたのは星座占い。
私の星座は……、
あ、6位か。
真ん中くらい。
ラッキーアイテムはシャーペンって……。なんだそれ。
でも、それもそれで珍しいんじゃない? って……、
こんなポジティブ思考、前までならできなかっただろうな。
7時50分。
外に出てようかな。
準備バッチリの鞄を持って、
玄関の扉を開けると…、
北「あ、おはよう。ちょうどだね」
『おはよう、北人くん』
今ここに着いたらしい北人くんに挨拶。
『早いね、まだ10分あるよ?』
北「それはAちゃんも一緒でしょ」
『あ、そっか』
笑い合える時間。
乃「おはよう、2人とも」
『おはよう』
北「おはよ」
乃「じゃ、一緒に行こっか」
楽しい時間。
幸せな時間はあっという間で、気付けばもう学校。
乃「あ…、数学かぁ…」
北「嫌だな……」
『2人とも数学嫌いなの?』
「もしかして数学できる人?」
揃った2人の声。
『え…、苦手ではないけど…』
北「マジで!?」
乃「後で教えてくれない? 特に北人ヤバいから」
北「はぁ? 俺だけじゃねぇだろ」
『あ、うん、いいよ』
乃「やった!」
これまで人に勉強を教えるなんてことしてこなかったけど、
新しい挑戦もいいかも……。
授業が始まり、
黒板に文字をたくさん並べていく先生。
この先生去年から同じだけど、たくさん書くから、ちょっと疲れるよね。
黄色いチョークに持ち換えた先生。
そこ予習であんまり見てなかったけど…、
そんなに大切だっけ。
ボールペンに持ち換えようとすると…、
コンッ
あ、シャーペンが…。
「はい」
拾われたシャーペン…。
『…ありがとう』
北「どういたしまして」
王子様スマイル…。
《ラッキーアイテムはシャーペン》……
朝を思い出していると、既にあと5分の授業。
慌ててノートを見ると、板書を写された文字。
え、いつの間に書いた?
そんなことを考えているとすぐに授業終わりの合図。
乃「さっきのこれどういうこと?」
北「それはできたけど。俺のほうがヤバいんじゃなかったのかよ」
『この問題はここを…』
北「じゃあこれは?」
乃「それはできるでしょ」
『この問題は1年の復習だから…』
北「え?」
乃「1年の問題間違えてどうすんの。ヤバいのはそっちじゃん」
明るい会話。
明るい空。
明るい日常って、楽しい。
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時