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AA……。
あった。2組。
2年2組。覚えやすくていいかも。
私は2年生になった。
春休みは短い。
今ではもう慣れてしまって何も思わないけど、
小学生のときは、「学年上がるお祝いに、もう少し長くしてくれたって良いじゃん」って考えてたっけ。
今思うと意味不明だ。
そんなことはさておき、
2組のメンバーの名前に目を通しておく。
去年も一緒だったよこの子、と思う子がいたり、
可愛くて有名な子じゃん、という子がいたり、
数人知った名前が居ると思ったそのとき。
見つけてしまった、あの名前を。
「今年も離れちゃったよ、もう無理かも」
「私も」
「待って! 私2組! 一緒なんだけど!」
「ヤバくない!? いいなぁ〜!」
「進展のチャンス来たよね!?」
「でも可愛いで有名な山口さんも2組にいるから、あんたじゃ無理でしょ」
「無理とか言わないでよ、分かんないじゃん」
「てかそこ2人って幼馴染らしいよ」
「えっそれどこ情報?」
「マジ?」
「勝ち目なさすぎじゃん」
「北人くんと幼馴染とか、前世でどんな徳積んだらそのポジション行けるの〜」
「マジでそれ〜」
そう、彼の名前を。
見つけたからどうしたって言うんだ。何か気にする必要があるの?
昔の私なら、今の私にそんな的確な冷静な意見をくれるかな。
なのに今の私は、なぜか自分に対しても、冷静な意見を伝えられなかった。
冷静じゃない私は、盛り上がるあの場所から、いつの間にか2組の教室に来ていたことに今更気が付いた。
「ねぇ、私、山口乃々華っていうの。よろしくね?」
前の席の可愛い女の子に、いきなり話しかけられて驚く。
この子、可愛くて有名な、山口さん。
『あ…、私は、AAです。よろしくお願いします…』
驚きからか、緊張からか、思うように言葉が出なかった。
乃「同級生なんだし、タメ口でいいよ。お互い名前で呼び合お! Aちゃん!」
『…うん、乃々華ちゃん』
素で笑顔になれたの、久しぶりかも……。
高校生活、初めてできた友達。
2組になって、山口さ…、乃々華ちゃんと一緒のクラスになって良かった。
乃「あっ実はね、この2組、私の幼馴染もいるの。Aちゃんも仲良くしてあげてね! Aちゃんの隣の席のはずなんだけど……、今はあの場所かな。連れてくるから待っててね」
幼馴染……
《てかそこ2人って幼馴染らしいよ》
《前世でどんな徳積んだらそのポジション行けるの〜》
まさか……。
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時