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訪れた2月。
今年は、去年よりも雪が多いようだ。
寒いのは寒いのだけれど、そのことが気にならない程に、私はあることについて夢中になって考えていた。
「今年も絶対一緒に来てよ?」
「当たり前でしょ。……てか、私も渡すし」
「今年はこんな感じにしようかな…って」
「え、超いいじゃん! あんた天才!?」
「私、14日にはもう命懸けるから」
「だよね!」
そう、14日の、……バレンタインのこと。
今年は、渡してみようかな……と考えているのだけれども、
毎年の恒例行事のような感覚を持つあの子たちのようには、なかなか良いアイデアが浮かぶはずもなく。
そうして悩んでいるうちに、2月も残すところ約3分の2。
バレンタイン4日前になっても大して良いアイデアが浮かんでこない自分に呆れながらも、
ここはもう1人で考えても仕方ない……と相談してみることにした。
さすがに本人がいる前では相談できないので、家に帰ってからメッセージで。
A乃々華ちゃん、相談があるんだけど
乃々華うん? どうした?
Aバレンタイン、どうしようかなって
乃々華え、北人に?
Aうん
乃々華あのこと、北人から聞いてないの?
Aえっ、なんのこと?
乃々華北人、親の仕事の都合で遠くに転校するって
………………えっ?
Aそれいつ?
乃々華13日の土曜日って聞いたよ
A知らなかった……
乃々華北人、Aちゃんに言ってなかったんだ……
北人くんが転校する…………?
13日…………バレンタインの前日…………?
今日は10日………………えっ!?
あと3日!?
そんなこと………………何も知らなかった……………………。
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時