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あの後、“夜ご飯食べよう”と寄ったのは、オシャレなカフェ。
綺麗…………!
『すごいね、予約してたの?』
北「うん、予約してた。すっごい綺麗だよね、ここ」
『うん! ありがとう……!』
なんかすごく緊張してしまうけど、
それでも、すごく楽しくて。
その2つの感情はきっと、
このカフェの雰囲気と、見える景色と、
…………目の前にいる、
北「Aちゃんと一緒にいると、ホントに楽しい」
彼のせい……。
北「他に行きたいとことかある?」
『うーん、……イルミネーション、見てたい』
私はただ……、
綺麗な景色の中で、あなたと一緒に時間を過ごしたい。
優雅とか贅沢とか、そんなんじゃなくて、ただあなたと一緒にいたい。
私はそれだけでもう、幸せだから……。
外へ出れば、少し冷たい空気が街を包んでいる。
今日はクリスマスイブということで、予想はしていたものの、その予想を大きく上回る人の多さ。
北「やっぱり人多いね……」
そうやって手を差し出されるのは、これまでにも何度かあったことなのに、
それでもまだ慣れることのできない私は、やっぱり恋愛初心者。
こんなことをサラッとできる彼は、きっと慣れているのだろう……。
北「あ、そこでちょっと休む?」
『うん、そうだね』
そこに腰かけると、低い位置から見える、また違った綺麗さのあるイルミネーション。
北「綺麗だね……」
『うん……』
北「あ、そうだ。ちょっと目瞑ってて」
『えっ……?』
言われた通りに目を瞑ってみれば、
首元に感じる、柔らかな、温かな感覚。
北「はい、開けていいよ」
『あ、マフラーだ!』
北「俺からのクリスマスプレゼント」
『ありがとう……!』
北「どういたしまして。やっぱり似合う」
『えっ?』
北「Aちゃんに似合うだろうなって思って」
『嬉しい……!』
北「喜んでくれて良かった」
『あ、私からも……』
そう言って渡したのはショルダーバッグ。
北「うわっ、これ欲しかったやつ!」
『え、ホント?』
北「うん! ありがとう!」
好きな人が嬉しそうなのって……、こんなにも嬉しいことなんだ……。
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時