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北「すごいね、飾り付け」
『そうだね、綺麗……』
ショッピングモールは、クリスマスが近くなると、綺麗な飾り付けがされていて……。
毎年のその光景は、見慣れているのに、今年の飾り付けがやけに輝いているから、
飾りの量が増えたのかな……と思ってしまう。
去年のこの季節から今日までで進化したのは、飾りの量じゃなくて、自分自身なんだよね……。
そして、これ可愛い…綺麗…とか、
去年まではそんなことなかったのに、綺麗なアクセサリーに惹かれる自分がいて……。
その中の1つに心を奪われるものの、決して高すぎるわけではないのだが手を伸ばせない自分もいて……。
まぁ、買う買わないは一旦置いておいて、いろいろなものを見たいから、
『ちょっとあっち見てくるね』
北「分かった。変な人に絡まれないようにね」
『大丈夫だよ〜』
うーん……、こっちのもすごく綺麗だけど、さっきのが一番好みかな。
それにしても、この時期……というか、今日24日だし、人多いんだなぁ……。
「お姉さん、1人？」
「俺らが一緒にいてあげようか？」
「可愛いね」
……違う。文字にすると同じなのに……。
私が欲しいのは、その言葉じゃない……。
私がホントに欲しいのは……
《可愛いね》
なんで…こんなにも違うんだろう……。
「ちょっと一緒に来てよ」
『……やめてくださいっ…』
「大丈夫だって」
『離してっ……』
北「俺の彼女に手出さないでもらえます？」
『……ありがとう』
北「Aちゃんが無事で良かった……」
『えっ……』
てっきり、“気を付けろって言ったよな？”的な感じかと思ってた……。
北「ごめんね？ 俺も一緒に行ってれば良かった」
『いやいや、北人くんは何も悪くないよ』
北「これからはちゃんと、ずっとそばにいるから」
『ありがとう』
…………
……………………ん！？
“ずっとそばにいる”……！？
……いや、考えすぎかな。
“今日は”、そばにいるってことだよね？
うん、そういうことだよ、きっと。
さっきだって……仕方なく言ったのは分かってるんだけど……、
《俺の彼女に……》
どうしても気にしてしまって……。
あなたはどれだけ、私の心を甘やかして、溶かしていくの……？
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作者名：北極星ポラリス | 作成日時：2023年2月5日 13時
