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12月24日。
あの後、すぐに悩んで考えて選んでいた服を用意する。
去年までのこの日は、なんてことない普通の1日だったけれど、
街がクリスマス色に染まるのを見届けるだけの1日だったけれど、
今年のこの日は……、
今日は、自分自身もクリスマス色に染まることができるんだ……。
そんな希望を持ちながら、時間を待つ今も、私の心は輝いていた。
準備も完璧に終わって、あとは時間を待つだけなのに、少し落ち着かないのは、
私が今日、何かを期待しているからなのだろうか……。
……だって、今日は12月24日。
クリスマスイブだよ……。
そんな日に、一緒にいる……って、2人で……って、
そんなの……、私…、
ちょっとは、期待しても…いいよね……?
ピンポーン
と鳴る家のチャイム。
学校の日の朝にも、何度も聞いていたこの音なのに、どうして今日はこれだけで、こんなにも甘く、切なく感じるんだろう……。
横にあった鏡で最終確認をすれば進む足。
『はーい』
開けたドアの前には、もちろん北人くん。
北「じゃあ、行こっか」
ほんの少しだけ積もった雪の上を、ブーツで歩いていく。
シャリッ……と、
私を乗せてくれる雪が、切なそうに鳴いた。
北「今日も可愛いね」
その魔法の言葉、あなたは誰にでも言うの……?
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時