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《シンデレラ、取り返しに来た》
『えっ……？』
北「ってことで、Aちゃん返してもらっていい？」
秋「お…、おう……」
北「ちょっと来て」
『えっ……』
いつか乃々華ちゃんにされたように、手を引かれて歩く校舎内。
『北人くん……？ どこに……』
北「いいから」
ガラガラッ…
……いつか来た、この場所。
北人くんが紙袋を渡すために私を連れてきたときも、乃々華ちゃんに手を引かれたときも、
ここに来ていた。
人が来ることがまずない、この場所。
私たちだけの、この場所。
……空き教室。
ガラガラッ…
再度同じような音がしたかと思えば、完全に閉められているドアが目に入る。
……ドンッ
……！
背には壁……、
目の前、至近距離には北人くんが……、
この状況は……！？
北「練習のときよりも距離近くなかった……？」
『えっ…？』
北「秋元と」
夏休みのあの日からの北人くんのこんな態度に、
何度意識して、勘違いして、自惚れてしまっただろうか……。
何度夢を見てしまっただろうか……。
何度自意識過剰だと言い聞かせてきただろうか……。
この態度が、こんなにも続いていて…何度もあって。
私、こういうの慣れてないから意識しちゃうんだよ？
勘違いしちゃうんだよ？
自惚れちゃうんだよ？
夢見ちゃうんだよ？
それでも、自意識過剰なんて言い聞かせずに、
期待しちゃってもいいの……？
北人くんは今、どういう気持ちで…、私にこんな態度をとってるの……？
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作者名：北極星ポラリス | 作成日時：2023年2月5日 13時
