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「2年1組の皆さん、ありがとうございました」
1組の演劇、クオリティ高っ!
「続きまして、2年2組の演劇、シンデレラです」
……舞台に上がる。
……舞台に立てばたくさんの視線。
頑張って完璧に覚え込んだセリフも、なんとか出てくるくらいの、この今。
今まではあまり経験してこなかった、表に出る役割への責任と緊張。
何せ今年は初めてのことが多くて、一気に成長した気分になる。
終盤に近付く演劇。
私も、1つの大仕事を最後までやり遂げる……!
『貴方を許すわ』
最後の名台詞を私が口にすれば、
降りていく緞帳……。
やり遂げた……!
秋「Aさん、ありがとう」
『こちらこそ、ありがとう』
「2年2組の皆さん、ありがとうございました」
秋「じゃあ、戻るか」
『うん』
舞台袖を後にして、秋元くんと一緒に歩く。
秋「Aさん」
『うん?』
秋「俺さ……、」
立ち止まる秋元くんを横に、私も立ち止まる。
秋「俺……」
何かを言いたそうな秋元くんを待ち、その場に2人きりで立ったままだった。
そう、2人きりだと思っていた。
そのときだった、急に名前を呼ばれたのは。
「Aちゃん!」
えっ……?
『北人くん……?』
北「裏方から下剋上。
シンデレラ、取り返しに来た」
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時