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沸き上がる歓声。
3組のテントのほうから聞こえてくる歓声。
3組の男子が一気に抜いて1位に上がったらしい。
乃「かっこいい……！」
『え、乃々華ちゃん、もしかしてあの人のこと……』
乃「ちょっと……！」
急に照れ出す乃々華ちゃん。
これは図星だな？
乃「……言わないでよ？」
『言わないよ』
その男子の活躍によって、バトンが進んでも変わらない1位。
あと3人……
2組は今3位だ。
あと2人……
最後から2番目の人になっても変わらない順位。
接戦で、みんな同じように速いらしく、3組を抜く人がいない。
最後のバトンパス……
全ての組のバトンがアンカーに渡って、その途端に更に大きくなる歓声。
2組のアンカーは……、
北人くん……！
《リレーのとき、ちゃんと俺のこと見ててよ》
《Aちゃんが見ててくれたら頑張れる》
北人くん、見てるよ……！
応援してる……！
『頑張れ……！』
………………！
「「「キャーーーッ！！！！！！」」」
「2組が抜きました！ 1位に上がりました〜！！」
聞こえたアナウンスに、また大きくなる歓声。
2組以外のテントからも聞こえてくる歓声。
……いや、みんな自分のクラス応援しなさいよ。
なんて考える冷静な脳は、今は私の中にいなくて。
熱くなる胸と心に、
また暖かな風が吹く。
北「Aちゃん！」
『北人くん……！』
北「ありがとう！」
『えっ？』
北「Aちゃんのおかげで頑張れた！」
やっぱりこれが、王子様スマイル……。
体育祭最後には、
息もできないくらい、
胸を温かく締め付けるような風が吹いた。
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作者名：北極星ポラリス | 作成日時：2023年2月5日 13時
