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「次のプログラムは、借り物競争です」


乃「Aちゃん、行こ!」

北「じゃあ、頑張れ!」

『うん!』




クラスごとに設置されたテントを出て、強い日差しの下へ。


見事に晴天となった体育祭当日。

「本日は、体育祭当日ということで……」なんて感じに始まった校長先生の挨拶に、寝そうになっていた生徒もいたみたいだけれど、いろいろな競技が始まった今は、みんな目が本気。




乃「どんなお題かな〜」
『気になるね〜』






スタートの合図の音がして、走り出す私たち。


お題を引くと、嬉しそうにしてすぐ3組のクラスのテントへと走っていった乃々華ちゃん。

え……、ちょっと待って……。


私のお題は、……背の高い人。

えっ、誰?




なんてしている間に、他の子たちも走り出す。


よし、まずはテント行ってみよ。




2組のテント前。

『あの……、背の高い人、いますか……?』

なんだその聞き方、と自分で突っ込んでいたとき、


「おい秋元行ってこい!」
秋「えっ……!」
「チャンスじゃねぇか!」


秋「……俺! 俺行く!」

……と、秋元くん(ってさっき男子が呼んでたから)。
確かに背が高い、180くらいありそう……。

まあ、走ってくれる人がいるだけ良かった。


『ありがとう……!』






テントのほうから視線を感じたが、
気のせいだと言い聞かせて走りきった後、乃々華ちゃんに話しかけられた。

乃「ねぇ、なんのお題だったの?」

『背の高い人……』


乃「あぁ、なるほど。だから秋元くんだったわけね」

『うん。乃々華ちゃんは? なんか男子と走ってたじゃん』


乃「えぇっ? それはまぁ……、へへっ」

『えっ?』


これはもしかして……。
もしかしたら……、あの伝説のお題……。

乃「内緒っ!」
『えぇーっ!』

絶対そうじゃん!



















テントに帰ってくると、聞こえたアナウンス。




「次のプログラムは、本日の体育祭を締めくくる、クラス選抜メンバー対抗リレーです」














北「俺次だから、これ持ってて」






『え,,,うん』




北「見ててね」


『…うん!』



















北「Aちゃんが見ててくれたら頑張れる」



















少し大きくて温かいジャージをかけられた私の胸には、


夏の気候で暖まった風が吹いていた。

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設定タグ:吉野北人 , THERAMPAGE   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時

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