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楽しいのもあるけど、やっぱり忙しくて、早く感じる準備の時間。
だってもう今日は、
「では、明日のために準備をしましょう」
体育祭の前日。
うん、早い。
ポスターなどの掲示の担当になった私たち3人は、掲示の場所へと向かう。
乃「じゃあ、私こっちのほうやるから、Aちゃんと北人はそっちのとこお願いしてもいい?」
『うん』
北「分かった」
だんだん当日の風景に近付いていくグラウンドに、楽しみな気持ちが増す。
北「いよいよ明日だね」
『そうだね、楽しみ!』
北「リレーのとき、ちゃんと俺のこと見ててよ」
そう。北人くんは、クラスから選抜された人たち20人がバトンを繋ぐクラスリレーに出ることになっていて。
このクラスリレーは、毎年どのクラスからも本当に速い人たちが出ていて、体育祭の最後にとっても盛り上がる競技。
どのクラスが勝つのか最後まで読めないから、去年は応援のテント内で実況者が大量発生してたなぁ……。
『もちろん、見てるよ』
それにしても、掲示物ってこんなに上のほうなんだ……。
あんなの、どうやったら届くんだよ…って思ってたら目に入った大きめの脚立。
『あれ、使っていいのかな』
北「さすがにいいでしょ。使わなきゃ誰でも届かないよ」
『そうだよね』
北「でも、そこは俺やるよ」
『えっ?』
北「危ないから」
『でも……』
北「いいから」
この日常を、ずっと繰り返していたい……。
改めて、そう思えた。
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時