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寝て起きれば、半分くらいになっていた悩みの大きさ。


いつも通りにしよう、なんて、
またそんなことを考え始めていた。




朝、授業が始まる前、
椅子に座って、机のほうを向いて、教科書を開いて。

授業中も、ちゃんと真剣に取り組んで。


そう、こんな感じ。
いつも通り。





昼休憩も、いつも通り、お弁当を食べて、窓を眺めて。


そう、こんな感じ。











……になるはずだった。






コンコン。


音がした。
このクラスに人が訪ねてくるなんて珍しいことだから、ほとんどみんなドアのほうを見る。すごいシンクロ率。

どうせ先生が忘れ物でもしちゃったんじゃないの、って私は窓を眺め続ける。
鳥が飛んでる、なんて些細なことを考えながら。










「「「キャーッ!!」」」




女子たちの黄色い悲鳴。そしてざわつく教室。



アイドルか何かがサプライズ訪問にでも来たのか、
と驚いて……、

いや、それよりも黄色い悲鳴の大きさに肩を震わせるほど驚いて、ようやく私も目線を動かすと……。








「あ、ちょっと来て!」




訪ねてきたその人が発した声。それに静まる教室。






その人の視線も、周りの人たちの視線も、




全てが私のほうに向いていて……










えっ!?
私!?









「そう、Aさんだよね?」




『は……、はい……』

なんで私の名前を知ってるの……!


















北「ちょっと来てもらってもいいかな?」








『あっ……、はい……』




椅子の足に引っ掛かりそうになりながらも、なんとか立ち上がり、おぼつかない足で彼のほうへ。


みんな、そんな目で見ないで……。




「え、なんであの子?」
「ガリ勉の子じゃん」

「え、気に入られたとかじゃないよね?」
「いや、あり得ないってそんなこと」
「え、じゃあなんで?」
「マジでなんでなの?」



小声で言われてるのがギリギリ聞こえる。


分かってるよ、

そんなこと言われなくても。


そんなふうに思われてるってことくらい、

分かってるよ。












北「こっち」


『はい……』

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設定タグ:吉野北人 , THERAMPAGE   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時

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