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ふぅ……。
お化け屋敷ナメてたわ……。
明るい場所に出てくれば、
少し落ち着く頭と、離れる手。
感じる日の明るさと、心を襲う寂しさ。
いつの間に、
こんなにも欲張りになってしまっていたのか……。
疑問を感じるのに……、答えは気付いているような気がする……。
それなのに、言葉にはできない。
心の中だけでも、言葉にはできない。
北「大丈夫？ 疲れてない？」
『うん、大丈夫！』
言葉にできそうで……、できない。
でも……、
北「人多いね……」
はい、って差し出された手を取った私は、
北「もうすぐ3時じゃん」
『うん……』
寂しさを感じた私は、
……きっと気付いてる。
じゃあ最後に、と辿り着いたのは観覧車。
「どうぞー」
乗り込むと思っていたよりも狭くて驚くけれど。
これまで歩いた場所を眺め、まだそんなに高く上がっていないのに、既に息をのむけれど。
何よりも、
高まる鼓動に、
自分が自分じゃなくなりそうで……。
『観覧車も久しぶり……、綺麗だね』
なんとか自分の意識を逸らそうと一生懸命になるのに……、
北「Aちゃんと一緒に歩いたとこが全部輝いて見える」
やっぱり私は……。
緊張と高まる鼓動のせいで、この後何を話していたか……ほとんど覚えていない。
それでも……、
北「今日は一緒にいてくれてありがとう。ホントに楽しかった」
『うん。私も』
この後、少しずつ地面に近付くゴンドラの中から見えた景色は、ハッキリと頭に浮かんでいた。
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作者名：北極星ポラリス | 作成日時：2023年2月5日 13時
