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北「まあ、ここからはここからで楽しもっか」
『うん、そうだね』
作戦が〜とか言ってても仕方ないよね、もうこれは。
……勘違いだったような気もしてきたし。
『何する?』
北「なんか食べながら考えるか」
『じゃあ、ソフトクリーム食べたい!』
意外と近くにお店があって。
ソフトクリームってこんなに種類あったっけ? …と少し驚く。
北「どれにする?」
これ美味しそう……。
『桃!』
北「じゃあ、桃とマスカットで。お願いします」
「かしこまりました」
とにかく、ソフトクリームの種類の多さに、ソフトクリームも進化を続けているんだなぁと感心していると、
「お待たせしました。こちら桃と、マスカットです」
北「ありがとうございます」
私の手元にやって来た桃のソフトクリーム。
『ありがとう! あ、お金…』
北「いいよ。俺からのプレゼント」
『いいの?』
北「うん」
『ありがとう…!』
休憩できる場所で。
『美味しい……!』
カシャッ
不意に聞こえたその音。
『え、今撮った?』
北「うん、可愛かったから」
『ちょっと,,,!』
北「うん、美味しい!」
カシャッ
『仕返しっ!』
北「おいっ! ……ってか、それも美味しそうだね、ちょっと頂戴」
『え、いいけど』
北「美味しっ!」
差し出したソフトクリームは、さっきよりも少し減って……
ん? これって……
北「これも食べる?」
さっきとは逆に差し出されたソフトクリーム……
間接キス……!?
『えっと……、』
北「食べないの?」
でも、マスカットのも食べてみたい欲が……。
『食べるっ』
ああ……、ここはもう、気にせずに……!
『美味しい……!』
たった一瞬の出来事だったとしても、
その一瞬は、私の鼓動を早くする力を充分に持っていた。
……気付いてないのか、この天然!
北「次はお化け屋敷でも行く?」
『えっ?』
北「苦手?」
『いやっ、全然?』
北「絶対ちょっと苦手じゃん」
『そんなことないっ』
北「お化け屋敷行けるの?」
『うん』
北「まあ、Aちゃんのことは俺が守るから」
天然人たらし…!
薄暗い…不気味な…この場所。
グワァーーーッ!!!!!
『キャッ!?』
ビックリするじゃん! 急に出てきたりしたら!
でも、お化け屋敷とはそういうものです……、
とテンパる頭の中、掴んだのは北人くんの腕。
『あ…、ごめん』
北「いいよいいよ」
すると、不意に手に感触を感じた。
『えっ…?』
北「繋いどけば、怖さマシになんない?」
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時