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小学生のときに親と来たとき以来、久しぶりに足を踏み入れたこのテーマパーク。
しばらく来ないうちに少し変わった部分や、綺麗にされた建物の壁を見ると、時の流れに美しさや切なさが感じられる。
ジェットコースター……、コーヒーカップ……、
いろいろな久しぶりを楽しめたのはいいものの、肝心の作戦については未だチャンスを掴めずといったところで。
北「ちょっと休憩する?」
乃「そうだね」
これはチャンスでは!?
『なんか飲み物買ってくるよ?』
乃「いやいや、私が行くよ」
北「俺が行くって」
乃「私が行くのっ」
北「いや、どこで意地張ってんだよ」
乃「いいから、私が行くの。ね? Aちゃん」
『えっ……?』
呆気にとられていると、こんなことに……。
作戦が〜!
乃「じゃあ、ちょっと待っててねー」
ダメじゃん、私!
やっぱり恋のキューピッドも簡単じゃない大役なんだなあ……。
北「こういうとこ、久しぶりに来たら超楽しいね」
『…だよね、私も久しぶりに来た』
北「なんか懐かしい感じするよね」
『うん、あの頃の気持ちが蘇ってきた』
北「ホントだよ。“あの頃”、これまでどこ行ってたんだよって感じ」
『戻ってきてくれて良かったね』
北「Aちゃんも一緒にいるからかな」
『えっ?』
北「楽しさ倍増されてる」
『……そんなの私もだよ』
北「ホント? 嬉しい」
いつか感じたような、心で何かが動いているような少し熱いこの感覚に、私は包まれていた。
乃「お待たせ〜! はい、これ」
『ありがとう!』
北「次どうしよっか」
乃「そうだね」
「あれ? 乃々華?」
乃「えっ! 杏奈と柚那!?」
柚「やっぱり乃々華だ!」
杏「久しぶり〜!」
柚「え、北人もいるじゃん!」
乃「あ、紹介するね? 杏奈と柚那は、中学のときからの友達。私と北人と同じ中学だったの。で、こっちはAちゃん。同じクラスで仲良くなったの」
杏「そうなんだ!」
柚「え、一緒に回らない?」
杏「それいいね!」
乃「じゃあ、私と杏奈と柚那で回ろ!」
柚「えっなんで」
2人の耳元で何かをささやく乃々華ちゃん。
杏「そういうこと〜!?」
乃「そういうこと! だから、北人とAちゃん、3時頃にここで!」
『えっ?』
北「おい!」
柚「じゃあ、ごゆっくり〜!」
杏「じゃあね〜!」
乃「3時にここね!」
……どういう状況?
作戦大失敗もいいとこなんですけど……?
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時