16 ページ16
8月11日。
太陽が照りつける8時。
服装にかなり悩んだ末、
やっぱりテーマパークだし、
ということでシンプルな動きやすい服に決定。
しかしまぁ、北人くんと乃々華ちゃん、輝いている2人と一緒に歩くということで、
なぜか奥のほうに入っていたパジャマみたいなやつじゃなくて、ちゃんとしたのを選んで。
普段出掛けないから、あまり着ないその服を着た自分を鏡で見て、
『似合ってんのか? これ』
昨日インスタで見た可愛いオシャレさんが頭に残りすぎているのか、ビミョーに見えるその姿に何とも言えない。
まあ、作戦において私は主役じゃないんだし、大丈夫か。
そういや、作戦の詳細決めるの忘れてた……、
なんて気付いて、考えようとするも、朝起きてすぐはそんなに頭が働かないものだ。
そんな感じに過ぎていく時間。
朝の情報番組も次のものへと切り替わる9時。
家から駅までは歩いて36分ほどだったと思う。
まあ、少し余裕を持って行くかな。
9時10分。
軽いバッグを持って玄関の扉を開ける。
あれ、この道で合ってたっけ?
念のため昨日道を調べておいたくせに、
久しぶりに向かう駅への行き方に少し不安になったが、昨日見た地図と、なんとなく道を覚えている体にナビを任せて駅へと向かった。
駅。
まだちょっと早かったかな、と思っていると見えた北人くんの姿。
北「早いね、まだ15分くらいあるよ」
『それは北人くんもも一緒でしょ』
北「あ、そっか」
なんだか覚えのあるその会話に笑い合った。
北「てか、……可愛い」
『……えっ?』
北「超可愛い。似合ってる」
『…ありがとう…。北人くんも、かっこいいね』
北「ありがとう。ホントに可愛い……」
か……、可愛い……。
いや、ダメだ。自惚れちゃダメ。
第一私は主役じゃないし。
北「なんか乃々華遅いね」
『そうだね……』
北「もう2人で先行っちゃう?」
『えっ?』
北「……なんちゃって。ふふっ」
ほら、自惚れちゃダメ。
乃「ごめんごめん! 遅れちゃった!」
10時過ぎに到着した乃々華ちゃん。
乃「あれ? 2人っきりのとこ邪魔しちゃった?」
北「ホントだよ。さっきもう2人で先行こうとしてたとこなのに。ね?」
『えっ…?』
乃「え〜、そうなの〜?」
北「そうだよ。だよね?」
『えっと…』
乃「まあまあ。じゃあ行こっ!」
やっぱり天然人たらしでしょ……。
227人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時