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明日からゴールデンウィーク。
連絡先は乃々華ちゃんとも交換して、
乃「なんで北人のほうが先なのっ」
ちょっと拗ねてたとこが可愛かったなぁ……。
そして、今の日常に慣れてきた私は、
ゴールデンウィークだって、友達と遊びに…って考えもしたけれど、
さすがに親との約束をすっぽかすほど親不孝ではない。
一人暮らしをすると親に宣言した中学3年生の夏。
もちろん反対された。
これまでは私の考えをよく認めてくれて、応援してくれたのに……って、
思い通りにいかない……って、
あの頃は腹いせになのか、本当に勉強ばかりして……、
たくさん心配をかけてしまった。
せめてもの反抗だったのだろう。
その後、一人暮らしを認めてもらうと代わりに、毎年ゴールデンウィークだけにでも絶対会いに来て、と言われ、
去年もゴールデンウィークには両親のもとを訪ねた。
そう、今年もその予定で。
「ゴールデンウィークここ行かない?」
「うわ、すごいとこじゃん」
「行きたい!」
クラスのあちこちから聞こえてくるそんな声に、羨ましいなんて思いながらも、無理なものは仕方ない。
乃「ゴールデンウィーク、3人でどっか行く?」
北「あぁ、いいね」
『あ…、ごめん。ゴールデンウィークは予定があって……』
北「そうなんだ」
乃「そっかぁ」
『ごめんね』
北「ううん」
乃「いいよいいよ。じゃあ夏休みとか、どっか行こっか。それなら大丈夫?」
『うん。ありがとう』
いい友達と一緒に過ごす、
そんな毎日には、幸せが溢れていた。
でも、そういや……。
もう1ヶ月も一緒にいるのに……。
なんでだろう……。
《吉野くんはあんたのじゃないんだよ?》
何も言われないのは、なんで……?
乃々華ちゃんも一緒にいるから?
でも……、
《でも可愛いで有名な山口さんも2組にいるから、あんたじゃ無理でしょ》
女子たちは、乃々華ちゃんのことをライバル視していて……。
それで、こんなに何も言われないことって……、ある?
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作者名:北極星ポラリス | 作成日時:2023年2月5日 13時