フェイクヒールブルー２ ページ30
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お酒が来ると早速乾杯して、
２人だけの女子会がスタート。
友達「さっきっから怖い顔してるけど、
なんかあったの？」
「怖い顔してる？！ブサイクだった？」
ライバルにブサイクな顔なんて見せたら
隙を与えてるようなもので。
油断大敵っていうんだから、そういうことだろう。
友達の大丈夫だったよ、のひとことに安堵する、
のも束の間。
「こちらがエビと砂肝のアヒージョでー、
こちらがサーモンのイタリアンカルパッチョになりまーす。
ごゆっくりどーぞ。」
可愛らしい声とゆるい口調を捉えて、
顔をあげると若い女の子。
私をジロッと見つめて、
キッチンの方に入ってしまった。
直感的にこの子が“まほちゃん”だって気づいて。
内心は、いたー！って騒いでるけど、
ここではソワソワできない。
普通に可愛らしい子で、メイクもバッチリ。
すこーしダメージを負ったけど、
気にしないフリで女子会を楽しむ。
近況報告と、どうでもいい話。
お酒が入って気分が良いから、
テンポよく話は進んで話題はあっちこっちへ。
それでもすごく楽しい。それがすごく楽しい。
それから、お酒のおかわりとかバゲットの注文とか、
テーブルに来てくれることもしばしば。
気にしないって思ってるけど、
やっぱり彼女のことは見れない。
なんとなく、ね。
お会計を頼むと、慧くんが対応してくれた。
レジで割引してくれて、
ちゃっかり安くしてもらっちゃった。
お会計のときは、“まほちゃん”にも
ちゃんとごちそうさまでしたって伝えて、
お店を後にした。
最後まで感じ悪いのは最悪だからね。
この友達と飲むのは久しぶりで
すごく楽しかったんだけど、気疲れした気がした。
今日は普通に自宅に帰る日。
慧くんにはもう会わない。
早く明日にならないかな。電話してもいいかな。
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作者名：しんくれろ | 作成日時：2018年8月22日 19時
