フェイクヒールブルー1 ページ29
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『いらっしゃいませー』
営業スマイルな慧くんに迎え入れられて、席に着く。
今日は慧くんのバイト先のイタリアンバルに来た。
“イタリアンバル”って言うと、
おしゃれな大人って感じがあったけど、
行ってみたら普通の居酒屋さん。
実際そんなのが普通だったりする。
本当は、ちょっと来るのが気まずかった。
一緒に行くのが気の許せてなんでも話せる友達とはいえ、
好きな人を好きな人のいるお店に乗り込むなんて、
私にはなかなか難問だ。
ちょっと前のケンカ、
と言っていいのかわかんないようなやつ以来、
お店に来るのは初めて。
避けてたわけで。
モテるのは知ってるし、
私が口出しするのはおかしいって分かってるから。
何も言わないけど、本当は少しヤキモチ焼いてたり。
若い女の子は…いないなあ。
ぐるっと見回しても見えるのは、
店長さんと、この前もいた高木くんと、
たまにホールにくる慧くんよりは年上だろう女性。
例の“まほちゃん”はいないのかな。
なんて悶々してると、
『注文はどうする?
アヒージョとね、カルパッチョおすすめだよ。
パスタは全部美味しいから食べてみて。』
友達にどうする?って聞きつつ、
店員さんおすすめは絶対美味しいよねってことで
結局好きなお酒と慧くんのおすすめ通りに注文した。
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作者名:しんくれろ | 作成日時:2018年8月22日 19時