スイートビター・スイートブルー (Kei) (ページ11)

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サマーブルー３ページ11

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今日は妙にテンションが高い慧くん。

お祭り会場に着くまでも

ずーっとテンション高めで、

本当に慧くんか疑っちゃうくらい。

なんだかんだ言って

花火大会楽しみにしてくれてたんだなーって

分かって胸が熱くなる。

花火大会の会場に着くと、

そこは浴衣着た人、お酒片手に陽気な人、

甚平を着た可愛い子たちで溢れかえってた。

「さすが都内でいちばん大きい花火大会だね。」

『こんなに混んでるとは想定外だったよ。』

歩くのすら大変なくらい混んでる。

これ大丈夫かな？笑

『さあて、どうしましょうかね？

とりあえず見ながら飲めるように

飲み物とご飯買っちゃうか。』

屋台を見に行くけどどこも混んでて、

10分くらい待っちゃいそう。

「花火間に合うかな？」

少し焦ったように聞いてしまった。

『始まっちゃうかもね。

でもここからでも見られるんじゃない？』

なんて話してたら、私たちの順番になった。

『おばちゃーん、

グレフルサワー2つとウィンナー2本と、

たこ焼き1つ！』

おばちゃん「はーい、じゃあ2100円だね。」

私も半分お金を出そうとしたら、

『あー！A、おばちゃんからサワー受け取って！

花火間に合わなくなっちゃうよー。』

って。

そのあとりんご飴も買ったんだけど、

そこでも私は “受け取る役” で。

私に出させないようにしてる。

そのおかげで花火も間に合ったんだけど。

スマートすぎる。

いつのまにこんな技を身につけたのさ。

なんだか申し訳なくなってきた。

「慧くん、ごめんね？ありがとう」

『いいの、俺結構バイト頑張ってるんだからね？』

ニコニコしながら花火を見上げて。

お酒と花火と、大好きな彼と一緒の時間が

すごく心地良い時間になってた。

帰りもちゃんと送ってくれて。

手を繋いで歩くふたりの月影が

とっても美しく見えた。

「夏っぽいね。花火も綺麗だったし。

楽しかった～」

『Aも綺麗だよ。…なんてね。』

至れり尽くせりな浴衣デートでした。

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