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少し不機嫌そうにメニューとにらめっこ。
涼介「ほら、何にすんの？
早くしないとおごらないよ？」
『…アイスティーだけでいい。』
ようやく注文したかと思えばやっぱり不機嫌。
そんなに私と会いたくなかったかな。
会いたくないなら来なければよかったのに。
席に移動してわちゃわちゃしてる３人。
なんかちょっとおもしろいなって。
ケーキとドリンクを運んで行くとき、
「ちょっとシフトうまくまわってるから、
部活の子たちと話してきたら？」って友達に言われた。
若干気まずいけど、とりあえず運ぶ。
「お待たせしました〜」
大貴「ありがとー美味しそう。」
涼介「なんでAちゃんメイド服なの？」
「なんか衣装担当の子が用意してくれたから。
髪もメイクもしてくれたの。」
涼介「そうなんだ。クラスの子と仲良くなれたんだね。」
「うん！文化祭がすごく楽しいよ。」
そのあと３人が食べてる間、
テーブルにいておしゃべりを楽しんだ。
帰り際、耳元に顔を寄せてきて、
『ちょっとスカート短いんじゃない？』
ボソッと言われた。
さっきまで目も合わなかったのに、
放っておいたり、近づいて来たり、
落差が激しいんですが。
午後４時、落ち着いたBGMが流れ始め、
文化祭が幕を閉じた。
うちの高校文化祭人気なだけあって本当に忙しかった。
来校者がとにかく多い。
その分、絶対に赤字にはならないから
実行委員にとっては安心なんだけどね。
残るは後夜祭。
実行委員の仕事を受けて一番びっくりしたのが後夜祭で、
キャンプファイヤーするんだって。
今どき校内でのキャンプファイヤーが許可されるって珍しいと思う。
となると、当然“後夜祭マジック”なるものが
ジンクスとして出回るもので。
キャンプファイヤーの前で告白すると結ばれる、って。
先輩に聞いたところ、毎年すごい数のカップルで、
キャンプファイヤーの周辺はごった返すらしい。
実行委員は安全確保でジンクスどころじゃないらしい。
私には全く関係ない話だけど。
侑李に告白できるわけないし、
これは封印するから。
これからは“世界で一番嫌いな人”になるの。
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作者名：しんくれろ | 作成日時：2018年8月21日 22時
