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そのまま準備に戻ることはなく、

涼介と空き教室で時間を潰した。


特に何を話すわけでもなく、しんみりした空間。

多分僕の考えてることを分かって、

話しかけてこないんだと思う。

こういうところが大人だよな。




涼介「知念、放課後になったけど。

部活ないんだし早く帰れば?行くんじゃないの?」


『…行ってくる。』


涼介に背中を押されて病院に向かう。

会いたいけど会いたくない、

心配な気持ちと罪悪感を抱いて。


考えれば考えるほど自分の気持ちが分かんなくなる。





重い足取りで病室の前に着いたけど、

中には入れない。足が止まっちゃった。


看護師「もう少しで面会時間終わっちゃうからね〜」


あぁ、看護師さんに促されて思い切って入る。




____________コンコン



『A、入るよ?

大丈夫?

って最近何回も聞いてるね。』


「侑李、また迷惑かけちゃったよね。

ごめんね。助けてくれて、ありがとう。」


『迷惑じゃないから。』


「そ、か。」


生まれてからおんなじように育ってきて、

無駄にお互いを理解してる部分がある。



Aは言いたいことがあるんだろうけど、

言わなくて、

僕にも言いたいことがあるけど、

言えないのもAは分かってると思う。



お互いに少しずつ分かり合えちゃうから、

この時間をより気まずくさせる。




でもこのまま帰るわけにもいかないから、

話を聞きたいと思った。

だからまず、僕の話から。



『僕はね、昔からずっと一緒にいて、

いろんなこと知ってるから、心配するんだよ。

心配しないでって言われても、それは無理。』


そこまで話すと、

Aも天井から僕の方に目線を動かした。



『聞いたでしょ?

【あのとき】のこと思い出してる?って。

間違いなく【あのとき】を

一番近くで過ごしてたのは僕だ。

あのことは絶対忘れられない。

…僕のせいだってことも。』



「何言ってるの?侑李のせいじゃない。

私がちゃんとみんなと話さなかったから。

侑李に甘えてたからだよ。」


『今日だって、ひどいこと言われたって。

圭人から聞いた。守るって言いながら、

何もできなかった。


僕は…』




________コンコン

看護師「もう面会時間終わりですよ。」

『あ、すみません。

じゃあ、また来るね。』





病院からの帰り道、考えてた。

僕は何を言おうとした?


___僕は、好きだから。


封印したはずの気持ちが溢れた。


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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 知念侑李、山田涼介 , 岡本圭人、薮宏太   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:しんくれろ | 作成日時:2018年8月21日 22時

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