：０６ ページ7
Aが退院してから二週間が経った。
あの後、気付いたら遠くまで歩いていたAを追って 慌てて食堂を去った。
もちろん医局に戻ったら質問攻めにあったが、Aが帰り際に「違いますよ」と言ってくれたおかげで幾らか楽に躱すことが出来た。
だけど、自分でもまだ Aがあんなにも近くにいた事が信じられない。
だって、Aは ────
「じゃあ、今日のカンファレンスは終わり……っと、あぁ、忘れてた。
最後にひとつ良いか？」
──── 完全に話を聞いていなかった。
橘先生の声で 今がカンファレンス中だったことを思い出し、無理矢理 思考を中断する。
「お前らは幸運の持ち主だな、また新たにフェローの指導医となる先生が来てくれた」
橘先生はそう言ってドアに視線をずらした。
皆が注目する中、静かに開いたドアから出てきたのは ────
「先日はお世話になりました。
今日から指導医として翔北救命センターに勤務することになった、小鳥遊です」
──── A。
一気に部屋の中が騒がしくなる。
皆驚いているのだろう。
勿論、俺も例外ではない。
「はは、皆いいリアクションだよ。
小鳥遊先生は七年前からアメリカの医大で心臓外科医として働いていたが、この機会に翔北に来てくれることになった。
きっと学べることは多いはずだ。」
「橘先生、大袈裟ですよ」
「まさか。黒田先生も俺と同じようなことを言ってたよ」
「黒田先生が？……はぁ」
「…まぁ、そういうことだ。皆、上手くやっていけよ」
橘先生の言葉で解散となった。
……こんなに速く再会できるとは、思ってなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2019年8月21日 19時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
みみくも(プロフ) - みーさん» ありがとうございます！また更新したいと思ってるのでよろしくお願いします（ ; ; ） (2019年7月22日 22時) (レス) id: 073e7ada57 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 頑張って下さい 応援してます (2018年9月13日 23時) (レス) id: b5c3358f43 (このIDを非表示/違反報告)
るぅぅ(プロフ) - みみくも(ゆめた)さん» なとりせんせは？？？？？？？？？？？ねえなとりせんせ (2018年9月13日 19時) (レス) id: ecdc6623f3 (このIDを非表示/違反報告)
みみくも(ゆめた)(プロフ) - みーさん» わああありがとうございます…！！めちゃめちゃ嬉しいです頑張ります；；； (2018年9月13日 18時) (レス) id: 802d6d8ff2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みみくも（ゆめた）
| 作成日時：2018年9月12日 22時
