レベル21 ページ23
麦わらの一味と料理を楽しんだ後、ルフィは約束通り私を反対側の岸まで送ると言ってくれたが、船長が私を探してくれているのにすれ違うと困るので少し待って欲しいと言った。
でもたかだか私のために彼らがここに滞在する必要もないのだ。私の事はここに放っておいて、もう出航して欲しいと言うと、ルフィはムッとした表情で私の体に腕を巻き付けた。
「絶対一人にしねェ！トラ男が来るまでおれも待つ！」
だからそんな事言うな、と言う彼に折れた。それは他のみんなも同じらしく、一度言い出したら聞かないからな、とでも言いたげに笑っていた。そして彼らも私を一人で残す気は無い、と。
どうして初対面で、ライバルともいえる関係にある私にここまで親切にしてくれるのだろう。
疑問には思うけれど、理由を聞くような無粋なことはしないでおこう。
「ありがとう、みんな」
「にしし、やっぱりおまえは笑ってた方が良いな！」
あんまりにも率直に言ってくるものだから照れてしまう。きっと彼は素直な人間なんだろう。
······ところで私はいつになったらルフィの巻き付いた腕から解放されるのだろうか。
＊
＊
陽が傾いて海に沈む頃、心のどこかで待ちわびていた声が聞こえた。
甲板から覗くと、船長がこちらを見上げていた。私の姿を捉えると目を見開いていたが、すぐに険しい顔になった。ああ、あの顔はとても不機嫌な時の顔だ。
船長が船に乗り込んでくるのを見て、刻一刻と雷が落とされる瞬間がやって来ているのを肌身で感じながら船長の元まで走っていく。
「A、てめェ＿＿＿＿＿＿」
「ごっ、ごめんなさい船長！」
そろそろ殴られる気がする、と覚悟を決めていたものの、頭に降りてきたのは船長の拳骨ではなく、掌だった。容赦なく後ろに引っ張られ上を向かされると、船長の瞳とばっちり目があった。
自惚れかもしれないが、その瞳には怒りではなく、安堵の色が浮かんでいるように見えた。
「怪我はねェな？」
「は、はい」
「······ならいい」
はぁ、と溜め息を吐いた船長に心配をかけてしまったことや探させてしまったことを詫びると、何も言わずに小突かれた。少し痛かったので素直に痛いと言うと、してやったとでも言いたげに、満足げな笑みを浮かべていた。
いつものようにクドクドと説教をされるのだと思っていたのだが、どうやら許されたらしい。
その後船長はルフィに見つかり、飛び付かれていた。
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水飴(プロフ) - なつみさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！作者の私情の関係にもよりますが、いずれはどちらも書かたら良いなと思っておりますので、お楽しみにして頂けたらと思います！ (2022年9月16日 0時) (
レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - どっちもみたいです!!!! (2022年9月15日 20時) (レス) @page25 id: dfa30137f5 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます！頑張ってどちらも書けたら良いなと思っています😌 (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - エース、コラさん・・。どちらも気になりますね・・！ (2022年9月12日 21時) (レス) @page25 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - グエグエさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！私のやる気があればいずれどちらも書くと思いますのでお楽しみに...！ゆっくりと更新頑張ります！ (2022年9月12日 11時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年8月20日 16時
