レベル１ ページ3
『買い出しに行ってこい』
十数分前、船長にそう言われて潜水艦から降りた私は、シャチとペンギンを連れて島を散策した。
栄えてはいるもののごろつきや山賊が跋扈しているらしい。くれぐれも気をつけろと念を押された。
「わざわざそんな島で買い物する必要ある？」
「仕方ねえよ、食料がもう切れかけてんだから」
シャチが不貞腐れている私の背を押して先へ進むように促した。
この二人は荷物持ちだが、船長に私の見張りをしろと命令されていた。船長には私がそんなにドジに見えるのだろうか。まあ、思い当たる節があるので何とも言えないけど。
それでもいつまでも子供扱いする船長に腹は立つので、パンを買って帰ってやると決意した。
ついでに梅干しも買ってやろう。明日のお昼ご飯、おにぎりの具として入れるために。
「A！前見ろ！」
「ん〜？あ＿＿＿＿＿＿」
そんなことを考えていると、ペンギンの焦った声が聞こえ、振り返ると同時に体が浮いた。バキバキと木の枝が折れるような音が鳴ると、大地を踏み締める感覚が無くなり、体が勢いよく下へと落ちていく。次の瞬間には鈍い音を立てて後頭部と地面が互いにこんにちは、と挨拶をしていた。
「い"っ、たぁぁぁぁぁぁ！！！」
私はどうやら落とし穴に落ちたらしい。
甲高い悲鳴が空高く響き渡っていた。
＊
＊
「ただいま帰りました〜······」
「キャプテン、またAが怪我しました！」
落とし穴から救出された後、後頭部にたんこぶを作りながらも何とか買い物を済ませた私は、ペンギンに連れられて船長がいる医務室までやって来た。土埃にまみれ、頭に大きな瘤を作って帰ってきた私を見て、一瞬驚いては呆れたとでもいうようにため息を溢した。
「敵に会った訳じゃねェんだろ？」
「はい」
「どうしたら買い出しにいっただけで瘤を作れるんだよ」
「あはは、本当に仰るとおりで······」
そもそも森から抜けて村に行こうとしたのが悪かったのだ。島民からすれば獲物を獲るために森に罠をしかけるのは当たり前なのだから。しかも人が見れば罠だと気付けるほど分かりやすいのに、前を見ていなかった私はまんまと引っ掛かったのだ。
どおりでペンギンとシャチがお腹を抱えて笑うはずだ。
「いや〜、こいつが森に仕掛けられた落とし穴に落ちて＿＿＿」
「ペンギンちょっと黙って！」
船長が頭抱えちゃったじゃん。
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水飴(プロフ) - なつみさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！作者の私情の関係にもよりますが、いずれはどちらも書かたら良いなと思っておりますので、お楽しみにして頂けたらと思います！ (2022年9月16日 0時) (
レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - どっちもみたいです!!!! (2022年9月15日 20時) (レス) @page25 id: dfa30137f5 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます！頑張ってどちらも書けたら良いなと思っています😌 (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - エース、コラさん・・。どちらも気になりますね・・！ (2022年9月12日 21時) (レス) @page25 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - グエグエさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！私のやる気があればいずれどちらも書くと思いますのでお楽しみに...！ゆっくりと更新頑張ります！ (2022年9月12日 11時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年8月20日 16時
