レベル12 ページ14
「んな"ぁぁ······」
船長に見つかってからというもの、ずっっっと無言で撫でられている。
こうなる未来の予想がついていたから会いたくなかったのだ。
船長はクルー全員が認めるほどモフモフした物に目がないのだ。私たちの前でモフモフした動物に飛び付いたりする事はないし、あくまでいつもと変わらない調子だが、普通に動物と戯れているところを私たちにバレている。
他のクルーよりもベポに妙に優しいのもきっとモフモフしているからで、よく考えればベポは一日に一回は必ず船長の餌食になっている。
「おれの船に乗り込むとは勇敢だな、お前」
私を抱き抱えている船長の顔はぴくりともしないけれど、機嫌が良さそうである。顎の下をスリスリ撫でられると、猫の体質なのか喉が鳴ってしまう。
それに機嫌を更に良くした船長は小さな笑い声を堪えきれなかったようだ。
下から見上げる船長の笑顔は柔らかいけれど、見慣れていないのである意味度肝を抜かれた気分だ。
そんな笑顔が出来るんだなと感じる反面、少しだけ胸がきゅっとなった。彼の幼少期がもう少し優しいものだったら、この笑顔が絶えないような人になっていたのかもしれない。
それと同時に、それこそ動物を見て可愛いと感じるような気持ちがほんの少し芽生えた。
私がそんなことを考えているだなんて露も知らない船長は、私を抱えたままベッドに寝転がった。帽子を外して私を顔の上に乗せて数分後、小さな寝息が聞こえてくる。この人は窒息死でもしたいのだろうか。動こうにも動けず、船長が寝返りを打つまでじっと耐えていた。鼻息がくすぐったかった。
「み"っ！？」
そろそろお暇させて頂こうと、ゆっくりベッドから降りようとしたのだが、船長の腕が絡み付いてきてそれも不可能になった。このまま船長の腕の中で変化が解けるにしろ、この部屋から出てクルーに見つかるにしろ、嫌な結末が見えるのは確かだ。
取り敢えず船長の腕から体を捻ってどうにか抜け出した。
どうにかこうにか上手く事が運べば良いのにと願う私の一縷の望みも虚しく、瞬きした一瞬で私の姿は変化していた。
「！？」
頭と尾骨に違和感が残り恐る恐る触ると、フサフサしたものが付いている。
人間には戻れた。でもどうして猫耳と尻尾は健在なのだろうか。
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水飴(プロフ) - なつみさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！作者の私情の関係にもよりますが、いずれはどちらも書かたら良いなと思っておりますので、お楽しみにして頂けたらと思います！ (2022年9月16日 0時) (
レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - どっちもみたいです!!!! (2022年9月15日 20時) (レス) @page25 id: dfa30137f5 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます！頑張ってどちらも書けたら良いなと思っています😌 (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - エース、コラさん・・。どちらも気になりますね・・！ (2022年9月12日 21時) (レス) @page25 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - グエグエさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！私のやる気があればいずれどちらも書くと思いますのでお楽しみに...！ゆっくりと更新頑張ります！ (2022年9月12日 11時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年8月20日 16時
