レベル32 ページ34
ペンギン視点
「っ、A＿＿＿＿」
声を掛けた頃にはもう遅く、Aは敵へと真っ直ぐに向かっていく。
敵はそれを好機だとでも言うようにAへと斬りかかり、銃弾を放つ。
ある程度Aも交わすが、懐に飛び込めそうな程の至近距離になると、あいつはわざと攻撃を食らって敵に確実な一撃を仕掛ける。それがAの闘い方であり、俺たちが常に直してほしいと思っている部分でもある。
「っ、はは、やるねぇお嬢ちゃん······でもそんなに傷だらけになっちゃあもう闘えないんじゃないか？」
「＿＿＿＿＿＿」
あの状態＿＿＿＿＿ある程度怪我を負って本気になった時や、怒りが頂点に達した状態になったAには、敵が話しかけても反応を示さない。本能のままに動く獣のように、目の前の障害物を「敵」として認識し、息の根を止めるまでその手を止めることは無い。
そしてどんなに攻撃をされても、本来なら悶絶して意識を飛ばすような攻撃でも、敵が生きている間は、地面に膝を付けるような事はあっても決して悲鳴を上げない。呻き声さえも。
痛みを感じない訳じゃない。全部堪えているんだ。
「シャチ、まだ動けるか」
「······当たり前だろ。お前こそ動けねぇなんて言わせねーぞ、ペンギン」
「ああ＿＿＿＿＿確実に仕留めるぞ」
俺たちはAより弱い。けれどこのままあいつが痛みに耐えて敵と闘うのを傍観するほど薄情な人間にはなれない。
強がりと言われてもいい。実際そうだ。撃たれた肩は死ぬほど痛いし、毒のせいか目の前も揺らいで見える。正直立っているのも億劫だ。
それでもAを止めなきゃいけない。
『何があってもAを守れ』
『私、わたし、人を＿＿＿＿＿＿＿っ！！！』
いつの日かキャプテンから言付かった俺とシャチへの義務であり、優しいAに二度と傷を負わせたくないと思う俺たちのエゴだ。
「取り敢えず、相手のガスマスクを取りに行くか」
「リョーカイ。となると、挟み撃ちだな······ヘマすんなよ」
シャチに背を叩かれたのを合図に、敵へと向かう。一気に捌くべき相手が三人に増えた敵は愉悦の笑みをたたえていた表情を一気にひきつらせ、焦りを感じているようだった。
そいつの口から卑怯な奴等め、と聞こえた気がするが気にしない。
卑怯で何が悪い。俺たちは海賊だ。
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水飴(プロフ) - なつみさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！作者の私情の関係にもよりますが、いずれはどちらも書かたら良いなと思っておりますので、お楽しみにして頂けたらと思います！ (2022年9月16日 0時) (
レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - どっちもみたいです!!!! (2022年9月15日 20時) (レス) @page25 id: dfa30137f5 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます！頑張ってどちらも書けたら良いなと思っています😌 (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - エース、コラさん・・。どちらも気になりますね・・！ (2022年9月12日 21時) (レス) @page25 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - グエグエさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！私のやる気があればいずれどちらも書くと思いますのでお楽しみに...！ゆっくりと更新頑張ります！ (2022年9月12日 11時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年8月20日 16時
