No.4 ページ6
『ついて来て！』
ナワーブからチャットが送られてきた。今回のマップは聖心病院。
下見はしたといえ、初めて来る場所だ。右も左も分かっていなかったので、彼からチャットが送られてくるのはありがたい。
早速向かおうと走り出すと、胸が鳴り出した。じわじわと恐怖が迫ってくるような感覚。
焦っていて気付かなかったが、頭上で鴉が円を描いて飛んでいた。
鴉が舞うとハンターに見つかるから気を付けろ、と言われたことを思いだし、早速私は失敗したのだと気付かされた。心音は更に大きくなり、何かの気配が背後にあった。
「おや、貴女は確か＿＿＿＿＿＿＿」
「っ······！！」
足元に赤い光が射し、愉快そうに言葉を紡ぐ声を聞いた瞬間、私は振り向くこともず、所持していた閃光弾のピンを引き抜き、地面に投げ付けた。打ち付けられた衝撃で激しい閃光と爆発音を発した閃光弾は、ハンターに命中したようで、後ろから呻き声が聞こえた。
一瞬罪悪感のようなものが芽生えたが、恐怖心は私に一刻も早くその場から去るようにと命令する。そのまま私はナワーブの元に行くことになった。
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「ふっ、く、はははははは！」
ナワーブと合流後、事の発端を話すと、ナワーブは急に笑い出した。さっきまで解読とやらで苦痛そうな表情を浮かべていたというのに、今ではお腹を抱えている。
「そんなに可笑しいことしちゃった？」
「いや、恐怖心から自分の身を守ろうとしたお前は間違ってない。
けど、今回のハンターは俺達を狩るつもりは無いんだ。だからそんな身構えなくても良い」
ハンターさんには申し訳無いことをしてしまったようだ。後で謝りに行こう。
ガチャ、と最後の暗号機が上がり、ゲートへと向かっていると、ナワーブがボソッと呟いた。
「にしても、お前に閃光弾投げられた時のリッパーはさぞ見物だったろうな」
「リッパーさん、っていうの？」
「ああ。気を付けろよ、あいつは愚図だ」
「愚図って······。ナワーブはリッパーさんのこと嫌いなの？」
そう聞くとはっきりと嫌い、と言いながら、苦い思い出を思い出したかのような顔つきをした。
試合は四逃げで終了した。
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水飴(プロフ) - 【湖の宝石】さん» 初めまして！旧作も見てくださってたんですか！？ありがとうございます···！お待たせさせてしまいますが、ゆっくり書いていきますので、旧作との違いを楽しんでいただけましたら幸いです！ (2022年6月23日 20時) (
レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
【湖の宝石】(プロフ) - リメイク前の方も見ていたのですが、また見られるなんて嬉しいです！更新頑張ってください！ (2022年6月23日 7時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年5月31日 17時
