・ ページ17
【過去】
「エドール、またレッスンをサボったんですって？」
毎回浴びせられる母親の怒鳴り声
それを無視して部屋に駆け込んだ
『だって、暇なんだもん。ピアノなんて、将来使わないよ』
「エドール！」と叫ぶ母親の声を流しながら部屋の窓を開ける
ピアノなんてつまんない
もっと、楽しいことがしたい
ぼーっとしながら水槽の水を浮かせて遊ぶ
お勉強だって、つまんない
散らかった教材を眺める
『俺、まだ6歳なのにこんなの分かんないもん』
6歳にどれだけ期待を膨らませているのだろうか
母親は、俺を産んだ時どんな反応をしたのだろうか
浮気した父親
その父親に似た俺はつくづく運が悪い
「エドール…！」
『お母さん、部屋にまで入って来ないでよ』
だって、と続ける母親を睨みつける
『もう、ピアノは行かない』
「どうして？なにか理由があるの？」
"あるんだったらお母さんに言って"
言われなくたって言葉の続きが分かる
何度も聞かされたその台詞
言えるはず、無いでしょ
『知らない』
「知らないって…」
"「あの子、お父さんいないんだって…」"
"「えー、なんで？」"
"「お父さんが、他の女の人と一緒になんかしたんだって」"
"「なんかって？」"
"「汚いこと、ってママが言ってた」"
"ママ"には分かんないよね
俺の気持ちなんて
・
「頑張ってね〜」
『…』
いきなり箒を渡され、車に乗せられたから何事かと思ったら今度は飛行術を習わせられた
「みんな、新しく入ったエドール・フィーンドだ。仲良くするように」
最悪だ
俺の目線は地面を向いていた
そんな俺を嘲笑うかのように他の人の目元は歪んでいた
「アイツ、飛行術も習いに来たのか？」
「お父さんもいないのにどこからお金出てきているんだろう、ってママが言ってた」
あーぁ、つまんないの
箒にまたがって少しの間、集中する
そうすると簡単に俺の足は地面から離れた
みんなが「なんで」という目で見てくる
飛行術のコツは1度本で読んだ。つまらなかったからもう読まないけれど
「何アイツ、ムカつく」
そんな呟きが聞こえた瞬間、俺の身体は傾きた
(続く)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴえぱんまん(プロフ) - 無名さん» ボードで行いましょう (2021年2月21日 12時) (
レス) id: 0fecd7c6fb (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - ぴえぱんまんさん» 承諾ありがとうございます。ボードの方で話し合いを致しますか？ボードでの話し合いを希望でしたら私からぴえぱんまん様のボードを伺いますのでご自由にお選びください。 (2021年2月21日 12時) (レス) id: 1b7e0f4429 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえぱんまん(プロフ) - 無名さん» 勿論です、お誘いありがとうございます (2021年2月21日 11時) (レス) id: 0fecd7c6fb (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - こんにちわ。急なコメント失礼します。『チートな奴ら』に家入瑠璃一郎として参加させていただいている者です。宜しければ関係如何でしょうか。検討お願いします。 (2021年2月21日 11時) (レス) id: 1b7e0f4429 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
