検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,298 hit

不安 ページ4

煉「まず体を湯で濡らして、この石鹸で頭や体を洗うんだ。出来るか?」

煉獄は手本を見せながら説明した。
少年はその手本を見て真似をする。

煉「うむ!上手に出来ているぞ!!」

風呂を終えその後は飯だ。
鬼は人間の物は食べないだろう、と煉獄は自分の分だけを用意した。
少年は飯をじっと見つめた後、自分の分は無いのかと言う様な
悲しそうな顔を煉獄に向け、偶然にか、腹の音が大きく響いた。

煉「君も食べたいのか?人間の食べ物が食べられるのか?」

少年は首を傾げた。食べられるかどうか分からないのだろうか。
試しに一口食べさせてみる。
すると少年は笑みを浮かべ、またもや涙した。
煉獄は、何故泣いているかを問いた。

A「う、れしい。ごはん。みんな、いない、ずっと、むしばかり。」

きっと、家族が殺されてから真面な物を口にしておらず、
虫ばかり食べていたと。普通の飯が食えて嬉しいと。
そう言いたいのだろうかと煉獄は考えた。

鬼にとっては、腹が減っていたのなら人間を喰えば良い話。
煉獄と宇随を見ても襲い掛からず我慢した。
何故彼は喰わないのだろう。何故他の鬼とは違うのだろう。
鬼は皆、醜い生き物だと、生き物とも呼びたくないと思っていた煉獄が、
この少年に対し、少しばかり情けをかけてしまっている。

煉「……柱として不甲斐なし。」

そう呟いた。


煉「さあ少年、もう寝よう。疲れただろう。明日はきっと早いぞ。」

明日、というより、もう今日だ。
御館様へ手紙を書かなければいけないし、きっと今日中に話し合いが行われるだろう。
そして緊急柱合会議も開かれる。

御館様はとても寛大なお方だ。だが今回の出来事は流石の御館様でも許しは下りないかもしれない。
鬼を滅す為に動いている鬼殺隊が、しかも柱が、
鬼の首を斬らず保護したなど聞いたらどんな顔をするのか。
もしその場で自分が殺されても文句は言えない。


煉獄は柄にもなく、少し不安になっている。
その隣ではいつの間にか眠っている少年。

煉「一か八かだ!!」

煉獄は不安を掻き消し眠りについた。

出発→←保護



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひょうが | 作成日時:2020年6月1日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。