私を守ってください！

違う ページ37

與「そんなん俺が許さへん」




A「体を売れば、與さんたちにも迷惑かけなくてすみますし、1ヶ月半でこの屋敷をでることができます」



與「ダメ！」




A「私はもう」




與「守るから。だからここにおってよ」




A「本当は私だってずっと代わりでいられると思ってた！でも…すみません。その子の代わりはできません」




與「代わり？」




A「私と同じ境遇の子がいたんですよね。その人と重ねられるのはもう嫌です！」





與「なんの話？」





A「日高さんから聞きました。同じように体を売られた子がきたって」




與「あー、俺その時いないで」




A「え？」




與「そんな話は聞いたことあるけど、俺はそのときまだ宇野家にはおらんかった」




だから俺はAのこと、誰の代わりとも思ってへんよ。そのうえでAを守りたいって言ったら？」




與さんの腕が私を包み込む
安心して思わず涙が出てしまう
心のどこかでみんなは私をその人と重ねてるんじゃないかって不安で仕方なかった
私がここにいないみたいでどうしようもなく辛かった



でも與さんは違う



與「他の4人はその知らない誰かとAを重ねてるかもしれん。でも俺だけはちゃうから。ちゃんとAのこと見とるから」



A「與さん」




與「真司郎。名前でちゃんと呼んでや。敬語もやめて」




A「真司郎…ありがとう」




與「ずっと立ってるの辛いやろ。寝てええよ」




そう言ってもAが俺に抱きつく手が強くなるばかり




A「…一緒に寝て」




與「え？」




A「ごめん、なんでもない」




與「ええよ」


俺はずっとここにおるから」




真司郎と一緒にベッドに倒れこむ




A「ありがとう」





與「女の子の日終わったらお礼してほしいねんけど」




A「お礼？」




與「俺とデートしてや」





A「で、で、デート！？」




與「今度、俺とAの休み被っとるから、どっか行きたいんよ」




A「初任給まだだから遠くへは行けないよ」





與「俺がつれてったる」





A「それお礼になるの？」





與「うん。俺の側にいてや」





A「わかった」





與「楽しみやな」




A「うん」





私を抱き締めてくれる真司郎に安心して目を閉じた

２つ→←不安定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す