partner 2

二度寝と行方不明 ページ48

ym side

……あれ、朝だ。
今日仕事…ないんだった。
時計を見ればまだ5時。

結局あれからどうしたんだっけ。
隣に寝ている大ちゃん。
片手に温もりを感じて布団を覗けば綺麗に繋がれたまま。
大ちゃんの薬指には指輪。
…そっか、夢じゃないんだ。
夢でもおかしくないくらいに自分が描いた世界より幸せだったから。

自然と目がいく左手の薬指。
自分の手なのに違うみたい。

大ちゃんが起きてないことを確認して、頬にキスを落とす。
頰に唇を当ててた時、聞こえるはずのない声がする。

『…やまだぁ、なーにしてんの？』
「…っ、おきてた？」
『山田が起きる前からね』
「珍しい、何してたの？」
『山田の寝顔見てた、ちょー可愛かったよ』

不意に顔に影ができておでこにリップ音。
多分昔の俺だったら叩いてたんだろうなぁ…
自分でも思うもん、砂糖より甘すぎて。

「…そ」
返す言葉がわかんなくて素っ気なくなるけど大ちゃんはそれでも笑って可愛くて可愛いと俺を甘やかす。

でもたまには甘すぎて胸焼けしそうな日もいいのかもしれない。

「大ちゃん、まだ寝よ？」
『二度寝珍しいね？…いいよ、寝よっか』

熱いくらいにくっついて手も絡めて。
クリスマスなんだからそれくらい許してくれるよね？
_______

次起きたらお昼はとっくに過ぎていた。
でも肝心のあいつがいない。

どこいったの？
今更夢なんて言わないで。
リビングを探すのにいない。
なんで、離れないって言ったじゃん。

ねぇ、だいき。
俺はお前がいないと生きてけないよ。
俺一人でどうすればいいの？
教えてよ、どこにいるのっ…

「だぃきっ…だ、き…どごっ…どこいるのっ…」
返事してよ。
お願いだから、戻ってきて。

「だいきぃ、どこっ…だぃぎっ…へんじっしてよぉっ…どこっ『どーした山田？』…っぇ…」

返事…した。
声のする方を見れば寝室のドアを開けでぼーぜんと立っている大ちゃん。
なんで、あれだけ探した寝室。
いなかったはず…

『え、なんでそんな泣いてんの！？なんか怖い夢でも見た！？』
「なんで…いるの…」
『なんでって…家だから？』
「ちがうっ！ベッド、いなかった…」
一度考えるように斜め上を向いた大ちゃん。
そして思い出したように言った。

『いなかった…。ぁぁあ！俺ベッドから落ちて下に寝てたからだ！』
「は…」

こんな奴のためにせっかくのクリスマスで泣いたなんて…
『ちょ、そんな拗ねんなって。今から行きたい所連れてってやるから。な？』
_______

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