勿忘草-ﾜｽﾚﾅｸﾞｻ-５

┗その3　side貴女 ページ15

sideテトル

泣いて

泣いて

泣き続けた



泣き張らした瞳で、私はここで王になった。


戦争などやっても無意味だと、私は10歳にして悟ったのだ。



フォレスター家は代々神に近い家系として讃えられていた。


古い書物にフォレスター家は神の側近であることが記されている。
代々引き継がれた光の矢が神からの贈り物、
神の力だと信じられていた。



「なぜ、私たちは戦っているのだろうか？」


疑問に思う毎日、ルーチェ人はオスクリタ人と長い間戦っていた。

戦争の発端、それは突如としていなくなってしまった神を新たに創るためだった。


ルーチェ人とオスクリタ人の均衡に保たれていたバランスが崩れていく……



そんなある日のこと、オスクリタ人に新たな王が現れた。


オスクリタ人、特有の紅色の髪に反してルーチェ人に似た青々とした髪の青年。


彼の名は"マーレ"


マーレにより、火の元が消えかかった戦争に油が注がれる。


誰かがいった

「嗚呼、悪魔だ青い悪魔がやって来た」



憎しみや、憎悪に包まれた星はくずれ
その後爆発して消えていく。



それが、フィレンシェルの最期
テトルが見た絶望だった___

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