勿忘草-ﾜｽﾚﾅｸﾞｻ-４

55,助けたい、それだけだった ページ29

木漏れ日がテトルを照らす。



"テトル……"



眠るテトルを呼ぶのは誰だろうか？


ハープのようにきれいな声

どこかで聞いたことのある声

あのときの夢の中で聞いた声




「おかぁ…さ？」


仰向けで倒れているテトルを、覗きこむその人は逆光により顔がよく見えなかった。



"あなたに__の力を与えましょう"



その人はテトルの唇に指を当て、言葉を遮る。




"__の力に慣れていない貴方は、また記憶を無くすことでしょう。


身体に悪影響を及ぼします。

それでも貴方は、彼を助けたいのですか？"




ぼんやりとする意識の中で、テトルはブロリーを思い出した。


そうだ、彼を彼を助けなければ
苦しみから解放を………



彼は悪魔ではない、





悪魔は ____





胸元に熱を感じる、熱いそれは宝玉であった。
その人はテトルの胸元にある宝玉に、触れてテトルの体内に押し込んだ。


熱いアツイアツ、い…………

56,復讐と決別※→←┗その3※

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