勿忘草-ﾜｽﾚﾅｸﾞｻ-

┗その3 ページ45

真っ直ぐ森を見つめているテトルの目には涙が今にも、溢れそうだった。

グッと堪えたその横顔に、ブロリーは初めてテトルと会ったときの感じた不思議な感覚に陥った。



「えへへ、ごめんね！
しんみりしちゃった……ね？」



テトルの悲しそうな笑みをみたブロリーはいつの間にかテトルの頬に触れていた。

ブロリーの行動はいつも驚かされる。
ブロリーも自身の行動によくわかっていなかった。



ブロ「……」

「ふぅっ……うう！」



テトルは気が緩んだのか、大粒の涙が流れ出る。テトルは浸しきりに泣いた。

声が枯れるまで故郷を忘れないように、自分の存在を確かめるように。


ブロリーは、そんなテトルを撫でた。


涙を親指で払ったり、泣かれるのは苦手だったはずのブロリーだがいやに心地よさを感じながら、テトルのそばにずっといたのだった。

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