勿忘草-ﾜｽﾚﾅｸﾞｻ-

┗その3 ページ5

村の一番大きい社に長老はいた。
抱き抱えていたシャモを下ろして社の戸を、トントンと軽く叩いた。



長老「だれかな？」

「失礼します、テトルです。」

シャ「長老！テトルおねぇちゃん起こしてきた！」



シャモは長老に近づき、テトルが寝ていたことを明かす。



長老「うむ、テトルよ。お疲れかの？」

「えっと、疲れてはいないのですが、ははは暖かくて寝てしまって……
すいません、長老に呼ばれていたのに遅くなってしまって。」



テトルは、そっと長老のそばに座り頭を下げた。



長老「いやいや謝るでない。こちらとしては感謝しているんだ。あの時、テトルがいなかったらこの村はどうなっていたことやら…」

シャ「あのときのテトルおねぇちゃんは、すごかったなぁ！！」



長老はにっこり笑い、シャモの頭を撫でる。

テトルは少し苦笑いをし、"あの時"のことを思い出していた。

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