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学校、ヤバイだろうな。
私の兄があんなことやったし。
妹である私も、きっと無視とかそういう残酷な罰みたいなのが待ち受けているに違いない。
ううん、きっとそう。
嫌だなぁ。
私の中にその感情が芽生えた。
せっかく頑張ってきたのに。
一人にならないようにって努力してきたのに。
兄がやったことで私まで被害を受けなければならないの?
可笑しい、可笑しすぎる。
私はそんな目に合うためにやってきたわけじゃないのに。
ぐるぐるハイスピードで回る思考回路。
重くてだるい体を無理に動かして学校に向かった。
けれど、学校はそこまで酷くなかった。
いつも通り、みんな私に接した。
ただ
「ヒョウくん、昨日のアレはないよね〜」
「ちょっと、酷いっていうか」
「家で大丈夫?困ってることとかない?」
「おれ、Aちゃんの味方だから。いつでも相談してくれよな」
「家でも灰払はあんな感じか?」
という会話が目立った。
それも一日では終わらなかった。
二日、三日、四日……。
ついには二週間も突破してしまった。
もうそろそろ、一か月を超えそうだ。
私はそれに作り笑いで
『まあね』
『大丈夫』
『ありがと。でも、今はいらないかな』
『違う、かなぁ』
と、いつも返していた。
ーーそれが続いて二か月目。
私の心配が途切れたころに二回目の事件が起きた。
先生はまたか、とげんなり顔。
妹である私にも責任はちょっとあるかなぁ、と思ったので後片付けを手伝った。
ーー終わり際。
「灰払さん、灰払くんっていつもこんな感じなの?」
と、先生に聞かれた。
『……いいえ』
しばらくの沈黙の末、やっと答えれたのがそれだった。
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作者名:カッパ巻き | 作成日時:2021年5月8日 18時