49本のロマネと魅惑の香 ジンside ページ10
『深手だから、ですよね』
違う。
いや、そうとも言うかもしれないが、今回は違う。
奴に後ろから弾丸をぶち込まれた時は心底驚いたが、今は傷口は開いてねぇ。
…これは、返り血の臭いだろう。
ふと考えが過ぎった。
この女は、もしかするとこの血の臭いが自分のものではないと気付いているのではないか…と。
この女が、只者ではないかもしれないと、自身の頭によぎっていた。
とっさに、押し倒していた。
(人1)「った、」
「……」
謝る気はない。
だが、不安ではあった。
もし自分が殺しをしていると打ち明けたら、この女は俺をどうするだろうと。どう思うだろうと。
…こんな生ぬるい感情を味わったのは生まれて初めてだ。
“人を思う”事すら今迄なかったのに、此奴に会ってから嫌な方へ変わっちまったもんだと自嘲する。
「……この臭いが他人の血のものだとしたら、テメェはどうする」
…。
(人1)「それが貴方の正義なら、私は何も言いません」
「…ほう」
(人1)「正義って、人それぞれ価値観が違うでしょう？もし、人を殺めることで貴方の正義が正しく成されるなら、私は何も言いません。…実際、私も人殺しの様なものですし」
「…そうか」
深くは聞かない。
此奴にも此奴なりにいろいろとあるのだろう。
(人1)「人は自分にとって大切な人しか守れない。命の重さは皆んな同じなのに…。自分に関わる人だけが大切で、それ以外は何だっていい…」
「…そうだな、」
高校生にしては、説得力のある言葉だった。
何か、重く苦しい体験をしてきたのだろうか。
別に、調べる事はしない。
…面倒だから、と云う事にしておこう。
(人1)「これだけは言わせて下さい。自分にとって本当に害ある人だけを見下して。決して自分以外をモブだと思わないで。…仲間を、大切にして」
「……分かった」
安心したように笑うお前を見て、更に身体が熱くなる。
…お前は、こんな風に笑うんだな。
「…ふっ、いいもん見せてもらった」
(人1)「あっ、今笑った！てか、いつまでこの状態でいるんですかお客様！？困りますお客様ー！！」
「…やかましい口は俺のそれで塞いでやろうか」
(人1)「なんでそうなる」
いいからどいてくれる！？と何やら親しげな口調で文句を言い始めた。
…ま、お前なら許してやろうか。
「で、いつかは聞かせろよ」
(人1)「何を！？」
「…テメェの秘密をな」
(人1)「いつかね」
「……」
(人1)「い つ か ね」
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ねこもち - いつも読ませていただきます！本当ストーリー良すぎて神です！リクエストですが、黒鉄の魚影をを描いていただけませんでしょうか？ (8月7日 20時) (
レス) @page13 id: b62973df28 (このIDを非表示/違反報告)
煕流(プロフ) - さあやさん» お返事遅くなりました！！大変申し訳ございません！！！リクエストありがとうございます！！！まずは番外編から、いつか絶対書かせていただきます！！！！ (2022年11月25日 0時) (レス) @page50 id: 6929ed7e75 (このIDを非表示/違反報告)
香 - いつも楽しく読ませてもらっています。リクエストなんですができればコナンの純黒のナイトメアのも書いていただけないでしょうか (2022年2月8日 23時) (レス) id: f6bbf63b46 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 作者様がよろしければですが、いつかコナン×ルパン映画の小説みたいなぁなんて…… (2021年4月25日 5時) (レス) id: 4df34ec797 (このIDを非表示/違反報告)
ミラヰ - うわぁぁやらかしたよ安室さぁーんwww前編から読んでました、今後の展開めちゃ楽しみです！ロマネわっしょーい！！！ (2020年4月17日 13時) (携帯から) (レス) id: dda611501a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煕流 | 作成日時：2019年6月14日 1時
